2003年12月13日(土)〜14日(日)



今年は諸般の事情により某「スノーボードと音楽のコラボレーションイベント」が開催されなかったってけど、本家の方は無事第4回が開催される!
もちろん今年もHEAVY SNOWkerは限界ギリギリの密着取材。
まずは大会に先立って行われた海外招待選手と日本人シード選手の記者会見レポートだ。



今回はストレートジャンプにジャムセッション方式を取り入れることで、これまで以上に失敗を恐れずにトライ出来るようになったことや、クォーターパイプに「ハイエストエアー」、ストレートジャンプに「インプレッシブライダー」のタイトルを用意するなど、新しい試みも取り入れられている。



前回優勝者で最も注目されるトラビスとヘイキは終始リラックスした様子で、訳のわかんないことを口走ってたが、とにかく楽しんでるようだった。

また、2年連続で惜しくも優勝を逃した鈴木伯は、「優勝出来るように頑張る」とぼそっとつぶやいたきり、後は「ヘイキのファンなんで・・・」とか言いながら携帯で写真を撮っていた。

そして日本人ライダーの顔でもあるライオは、「今年は珍しくケガなく仕上がったので楽しみたいし、そろそろ日本人が優勝した方が盛り上がるので、日本人の底力を見せつけたい!」と言いつつ「おむつ代がかさむので賞金は多めにいただきたい」と、軽い冗談もまじえ取材陣を笑わせていた。


Rio Tahara.

一方、大会の顔でもあるテリエは、「今回はバランスのとれたメンバーが集まっているね。個人的にはストレートジャンプにあんまり興味が無いけど、、、クォーターパイプはかなり熱くなると思うよ。」
また、日本でのフリータイムについては「クリスマスプレゼントを買ったりして過ごすよ。」と語った。


Terje Haakonsen.

「日本に来れて嬉しいよ。でもこっちに来てからというもの飲む機会が多くて、肝臓が悪くならないように注意しなくちゃいけないね。」とトッド・リチャーズ。

さらに「今回の出場選手の中でも最年長であり、33歳という高年齢でいつまで現役でいられるのか?」という取材陣からの質問に対し、「オレも分からないよ。やれるところまでやり続けるだけさ。」とトッドが答える。


Todd Richards.

「ジャンプ台を見たけど楽しそうだね。明日はどうなるか分からないけど・・・。」と、初来日となるマルク・コスキー。


Marukku Koski.

記者会見の後は恒例のフォトセッションへと移ったが、初出場のベテラン、トッド・リチャーズはデジカメがお気に入りのようで終始写真を撮りまくってたし、伯は端っこでテロップ持って遊んでるし・・・相変わらずまとまりのない奴等だぜぃ。。。(笑)



ちなみにこの時期、ライダーのギアのいくつかは04-05モデルだったりする訳だが、山口睦生のシェンムーやライオくんの使うヘッドウェアMaather396なんかのネタはおいおいってことで・・・。(つまりHEAVYSNOWkerから目が離せないってこった。)





2003年12月13日(土)
クォーターパイプ(入場者数26,000人(前年比+1000人))




さて大会初日。
前日の記者会見では多くを語らなかったけど、前年ヘイキに優勝をさらわれたテリエは内心燃えるものがあるようで、公式練習から全開だったし、そろそろ日本人の優勝をとおむつ代を稼ぎに来たライオもキレまくり。どうなる?クォーターパイプ。

まずは簡単にコースとルールの紹介。
ビルの10階に相当する高さからドロップインし、6mの高さのクォーターパイプにアプローチ。





まぁ、よほどの筋力がなきゃGに潰されるし、よほどのバカじゃない限りここから飛び上がるなんてあり得ない。

ルールの方はと言えば、通常のトリック以外にアプローチ途中に設置された長さ8mのハイレールや、ストレートジャンプキッカーを使ったパフォーマンスも加点されるとともに、純粋に高さのみを採点する「ハイエストエアー賞」が新設された。(*ただし、どんなに高く飛んでもランディングでコケたら無効)



<日本人予選>
日本人予選
インターネットでの人気投票で選出された10名と事務局推薦1名の合計11名が2本ずつジャンプを行い、得点の高い方を採用するベストポイント制で上位4名を選ぶ。
当日はマグンが左手首ねんざ、ゴッチが左膝のケガで欠場ってことで9名からスタート。

1本目
国際派の布施忠がスタイリッシュなBSインディで先行し、宮脇健太郎がマックインディ、笠原啓二郎がマックミュートで追撃し、村上史行がデカいBS5でトップに立った。
注目だったのはストレートジャンパーの印象が強い鈴木伯。
途中のキッカーで美しいキャブ5を見せたもののランディングでこけてクォーターに届かず、史上初の0ptを記録した。


Kentaro Miyawaki.

2本目
1本目同様宮脇がマックインディ、笠原がマックミュート、村上も高さのあるマックでポイントを上積みして予選通過。
福山正和は逆転を狙ってのBS5インディをメイクしたものの、1本目の布施に一歩及ばず敗退となった。


Fumiyuki Murakami.
Rank bib#    Name          1st Run 2nd Run Best Run
1 29 宮脇健太郎 216 256 256
2 30 村上史行 236 240 240
3 18 笠原啓二郎 216 232 232
4 27 布施忠 208 68 208
---------------------------------------------------------
5 26 福山正和 56 200 200
6 24 西田崇 176 84 176
7 13 鈴木伯 0 176 176
8 22 戸谷隼人 52 156 156
9 31 吉野満彦 44 20 44


シード選手紹介ジャンプ
インゲマー・バックマンがデジカメ片手に自分撮りしながら滑ってみせれば、お祭り男ヨナス・エメリーはさらにレベルが高いジャグリングしながらレールにアプローチ(もちろんコケた)し、日本男児ライオ田原は「星野阪神ありがとう」なんてアピールをしながら、今岡のユニフォームで飛んでみせたり・・・実にエンターティナーライダーが大集合である。





<ファイナルジャムセッション>
海外招待選手10名と日本人シード選手2名に、日本人予選を突破した4名を加えた16名で行われる。
この16名を抽選で8名ずつのA・Bグループに分け、それぞれのグループが20分のジャムセッションを行う。
その後、グループに関係なく上位6名を選ぶ。

●グループA
(エーロ・エッターラ、トラビス・ライス、ジアン・シメン、ヘイキ・ソーサ、ライオ田原、布施忠、宮脇健太郎、村上史行)

身体を暖めるようにスロースタートする外人勢を尻目に予選からの好調そのままの日本人勢。
ライオも1本目からヒールロデオを見せるなど調子は良さそうである。


Tadashi Fuse.

前半目立ったのはライオ、ジアン、ヘイキ。
ヘイキは2本目ですでにBS7を繰り出し、ジアンもBS5を安定感あるツーグラブで決めてみせた。


Heikki Sorsa.

ライオは終始ストレートジャンプとクォーターの組み合わせで見せながら、ヒールロデオやFS5を連発・・・と思ってたら、途中経過での上位はライオ、ジアン、ヘイキと発表された。(俺って見る目ある?笑)

10分過ぎにジアンがスイッチBS5を見せたあたりから全員がヒートアップ。
高さにこだわる村上やスイッチBS7まで回し始めたジアン、BS7他多彩な技を繰り出すトラビス・・・
そしてついにキレて上半身裸になったライオが5.4mのヒールロデオを見せつけて会場を沸せた。


Rio Tahara.


●グループB
(インゲマー・バックマン、ヨナス・エメリー、テリエ・ハーコンセン、石原崇裕、マルク・コスキ、DCP、トッド・リチャーズ、笠原啓二郎)

前半見せたのはテリエ、ヨナス、そして意外にも(失礼!)インゲマー。
テリエは身体が暖まった頃から高さのあるメソッドを見せ始め、ストレートジャンプをうまく組み合わせながらスタイルを出していた。

ヨナスはコース途中のレールを多用する分失速してミスすることも多かったが、それでもFS7あたりをキレイにメイクして会場を沸かせた。
インゲマーは(多少頭が薄くなったものの・・・関係ない???笑)玄人好みのオールドスクールトリックを組み合わせつつ、ワイドなBS5やBS7を連発。


Ingemar Backman.

個人的に応援してたトッドは(後のインタビューでも語ったように)ストレートジャンプに焦点を合わせてるようで、そこばかり練習して肝心のクォーターはさっぱり。

ハーフパイプで1440°回した記録を持つマルクはすごく安定しててキレイなんだけど、いまいち華がない気がするのは俺だけか?
そんな訳で途中経過上位はテリエ、ヨナス、インゲマー。(やっぱり俺って見る目ある?笑)

後半に入ってまっ先に動いたのはテリエ。
伝家の宝刀ワンフットを繰り出して何回か失敗した後、今年も出ましたワンフットマック。
こう毎年見てるといい加減飽きそうなもんだけど飽きないんだから不思議。
すでに季節の便りとして定番化してますな。


Terje Haakonsen.

インゲマーもスイッチFS7をメイクしてポイントを積み上げ、これで決まりか?と思ってたら最後に見せたのがマルク。
デカいトゥフェイキーは印象に残ったゾ。


Marukku Koski.

セッション終了後のインタビューでインゲマーが「20分じゃ足りないよ」と威勢のいいコメントを残した反面、トッドは「明日の練習してたからスピードが出なくてクォーターにはうまく入れなかった」と負け惜しみともとれるコメント。
(そこまで言うんだから、ストレートジャンプは頼むぜ!)
お祭り男ヨナスは「クォーターは得意じゃないけどジャンプやジブなどいろいろ楽しめたよ」とちょっと控えめ。

結果、スーパーファイナルに進んだライダーは以下の通り。
Rank bib#  Name            JUDGE A JUDGE B JUDGE C JUDGE D TOTAL
1 14 田原ライオ 1 1 1 4 7
2 5 Terje Haakonsen 5 2 2 1 10
3 11 Gian Simmen 3 3 3 3 12
4 2 Ingemar Backman 6 4 4 2 16
5 9 Travis Rice 2 5 5 6 18
6 7 Markku Koski 4 6 6 5 21
大方は予想通りだったけど、華が無いなんてこきおろしたマルクが通過し、ディフェンディングチャンプのヘイキも姿を消すこととなった。
また、この時点でのハイエストエアーはライオが出した5.4mで、キレまくりのライオは優勝してもおかしくないほどのオーラ出してた。



おまけギャラリー1
日本人ライダー達の控え室はこんな感じ。
中はピリピリした雰囲気もなく会話はいたって普通。笑い声さえも響く。

Riders' Room.

Riders' Room.

Riders' Room.



<スーパーファイナルジャムセッション>
ファイナルを通過した6名が25分のジャムセッション方式で競技を行う。

前半はそれぞれが様子を見つつスタイルを見せる展開の中、トラビスがBS5ながらいろんなスタイルを見せたり、ジアンがBS5をレギュラー、スイッチ両方で繰り出したり、この2人は安定度と技の豊富さでは群を抜いてる。

インゲマーは相変わらず玄人好みの技をまぜつつ高さを出してみたり、ワイドにBS7を決めてみたりと勝負どころを探ってる感じ。


Ingemar Backman.

終始好調さを感じさせるライオはまさに特攻隊長の勢いで突っ込んで行って、高さのあるマックやチャックフリップを連発してるけどアプローチでの安定感がいまいち。

一方の絶好調のテリエはワンフットマックを温存するようにシンプルに飛んでみたり、ストレートジャンプとの組み合わせで会場を沸かせたりと計算しつくした展開。


Terje Haakonsen.

マルクに関しては自分で書いた「キター!」というメモや「◎」というメモが残ってるところを見ると、良かったんだろうけど・・・まさに現場の混乱ぶりがわかるメモである。(爆)

後半、各ライダーが徐々にポイントを絞り始めた時にそれは起こった。

ライオがバカ高いチャックフリップから派手にクラッシュ。
完璧に脳震とう状態で立つことはもとより、ボードを外すこともままならない状態でスタッフに抱えられ、コースアウトして行ったにも関わらず、本人は滑る気満々。

本能だけでドロップインしてトリックを繰り出すものの、そんな状態でキチンとランディング出切るはずもなく連続クラッシュ!
「やべぇよ、死ぬんじゃないか?今度こそ死んだか?」と思わせつつ最後までクラッシュし続け、終了と同時に医務室に担ぎ込まれた。


Rio Tahara.

どうやら、クラッシュ直後に急激な低酸素症を引き起こしたらしく、にもかかわらずコース最上部まで"登る⇒飛ぶ"の繰り返しでダウンしたとのこと。
充分優勝を狙える状態だっただけに惜しかったね。

そんな騒ぎをよそに淡々と時計は進んでいた訳だが・・・

後半に入って高さよりもワイドにBS7を連続していたインゲマーがBS9を見せつけると、負けじとテリエもBS9。
直前にワンフットマックをメイクしていたテリエはぐっと優勝を引き寄せたと言えるジャンプだった。


Travis Rice.

トラビスも完成度抜群のスタイリッシュなBS5をメイクしつつ、時折ハイエストエアー狙いの高いメソッドを出しているだけに侮れない。

また業師ジアンもスイッチBS7を最後の最後に持って来たり、後半スタイリッシュに高さを出し続けたマルクと優勝争いは終始わからない展開だった。


Gian Simmen.

結果、混戦を制したのはテリエ。
そして順位は以下の通り。
Rank bib#    Name            JUDGE A JUDGE B JUDGE C JUDGE D TOTAL
1 5 Terje Haakonsen 70 75 82 78 305
2 9 Travis Rice 70 73 78 75 296
3 7 Markku Koski 70 66 80 70 286
--------------------------------------------------------------------
4 11 Gian Simmen 70 63 75 72 280
5 2 Ingemar Backman 70 65 70 65 270
6 14 田原ライオ 70 20 40 40 170


そしてハイエストエアーはファイナルでライオが出した5.4mに対して与えられることとなった。

優勝したテリエは「去年は勝てなかったから、今年はNo.1という名誉を与えられて嬉しい」と語り、優勝者に与えられるArctic Challengeへの参加権は2位のトラビスに与えられることとなった。

これに対してトラビスは「スカンジナビアへまた行けるのはとても嬉しい。
でもスカンジナビアより好きな場所は日本しかないかもしれないね」と喜びを口にした。

また、初出場のマルクは「とてもびっくりすると同時にとても嬉しい。
5分前まではここに立てるとは想像していなかった。明日のストレートジャンプも頑張るよ」とのコメントを残した。

そして、ハイエストエアーを受けたライオは医務室から呼び出され、「生まれて始めて酸欠になってしまいましたが、みんなの声援のおかげで最後まで滑ることが出来ました。
来年はタバコを控えて頑張ります!」と語り、日本人最高位で再びArctic Challengeへの参加権を贈られた。


Rio Tahara.

・・・ところで今回の大会でいまいちわかんなかったのが得点方法。

去年までは順位しか発表されなかったジャムセッションだったから、得点が発表になったこと自体は進歩なんだけど、それならそれで各ジャッジは何を見ているのか(スーパーファイナルの結果を見ると役割分担があるようにも見えるし)、もうひとつファンの立場からすれば、結局どのジャンプが高得点を得たのかまで知らせてくれればもう少し楽しめたような気もするしね・・・

そんなX-TRAIL JAM初日だったとさ。

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