TOYOTA BIG AIR 2001(札幌・真駒内オープンスタジアム)



今シーズンですでに5回を数え、世界的なストレートジャンプのコンテストとして定着した感のあるTOYOTA BIG AIRが北海道は札幌・真駒内オープンスタジアムにて開催された。

この手のイベントでケガによるライダーのキャンセル〜変更はつきものなのだが、今年は最後の最後まで
ライダーの変更が相次いだことで、観客動員にも影響するかと思われたが、
蓋を開けてみれば20,000人もの観客(大会史上初)が集まり、札幌の夜空が燃えた。
そして、その頂点に君臨したのは・・・

その前に大会の全体をおさらい。
スタジアムに特設されたランプは高さ31m、長さ108m、最大斜度50度と言う巨大なモノ。
先の東京ドームでの大会を意識したかのようなデカさは、自殺志願者でもなけりゃ登 りたくないほどの威容を誇り、
ある者はこれを処刑台と呼んだほどである。

その処刑台に立ち向かうライダー達・・・先に書いた通り、今年はキャンセルが相次ぎ、
ジーン・バブス・シャーレピーター・ラインが怪我の為に欠場となり、代わって出場予定だったユシ・オクサネン
マーカス・エッジまでもがキャンセルとなった。
結果、フレドリック・サーベルが呼ばれ、もう1名は大会開催のわずか3日前にTBA事務局から
ISF(世界スノーボード協会)への申請をして、NIPPON OPENの為に来日して いたギョーム・モリセットが急遽出場となった。

HEAVY SNOWKER一押しのギョーム・モリセット。
彼はISFの99/00ハーフパイプの世界ランキングは2位という実力の持ち主であり、昨年度のUS OPEN制覇や
先のNIPPON OPEN 6位入賞の実績を持つが、本格的なストレートジャンプの大会参加は事実上初めてのことであり、
大会関係者ですら彼を知る者は少なかったのだが・・・。

結局、そんなこんなで最終的にエントリーしたライダーはこの15名

No.1 Michi Albin(Burton)
No.2 Stefan Gimpl(Burton)
No.3 Danel Franck(Salomon)
No.4 Fredrick Sarvell(AIRWALK)*Peter Line → Jussi Oksanen →
No.5 Ingemar Backman(Allian)
No.6 David Benedek(Salomon)
No.7 Roger Hjelmstadstuen(AIRWALK)
No.8 Jonas Emery(Rossignol)
No.9 Andrew Crawford(Rossignol)
No.10 Paavo Tikkanen(Rossignol)
No.11 Guillaume Morisset(Salomon)*Jean Babs Chalet → Marcus Egge →
No.12 Thomas Eberharter(Nitro)
No.13 山崎 勇亀(Lib Tech)
NO.14 吉村 成史(Burton)
No.15 平岡 暁史(Rice)

この15名に加え、
石川健二、植村能成、鶴ヶ崎義徳、中川賢史、臼井真実、ゴッチ、福山正和、原祐司、飯田清隆、布施忠、熊谷幸夫、
山田壮範、山村拓也、鈴木伯、堀尾宗弘、高橋玲、安藤輝彦の17名日本人ライダーが残り1名の本戦出場を賭けて
予選を行ない、山村拓也が見事本戦出場を果たした。

No.16 山村拓也(SIMS)*日本人予選選手枠

なお、大会はすべて各自2本の競技を行ない、400pt.満点で採点され、良い方の得点を採用したベストポイント制で
その順位を争うと言うルールで、
Qualification(16→8名)、Final(8→3名)、Super Final(3→1名)を行なう。


Qualification
1位 Guillaume Morisset(Salomon)323pt. 286pt.
2位 Stefan Gimpl(Burton)181pt. 313pt.
3位 Roger Hjelmstadstuen(AIRWALK)310pt. 267pt.
4位 Jonas Emery(Rossignol)273pt. 309pt.
5位 Michi Albin(Burton)282pt. 303pt.
6位 Thomas Eberharter(Nitro)298pt. 259pt.
7位 Danel Franck(Salomon)295pt. 288pt.
8位 Fredrick Sarvell(AIRWALK)287pt. 278pt.
9位 平岡 暁史(Rice)276pt. 275pt.
10位 David Benedek(Salomon)132pt. 276pt.
11位 Ingemar Backman(Allian)267pt. 242pt.
12位 Paavo Tikkanen(Rossignol)261pt. 39pt.
13位 Andrew Crawford(Rossignol)260pt. 134pt
14位 山村拓也(SIMS)87pt. 255pt.
15位 山崎 勇亀(Lib Tech)215pt. 254pt.
16位 吉村 成史(Burton)175pt. 172pt.

今回はフリップ系、レイト系の技の評価が低いようで、得点が出難い反面、大きくなったランプのおかげで
滞空時間が長くなり、高難度の技が連発で、Final出場のボーダーラインも昨年以前に比べても高得点が要求される展開のようだ。
日本人選手は平岡の健闘むなしく、Final進出はなしと言う残念な結果に終わった。


Final
1位 Guillaume Morisset(Salomon)345pt. 344pt.
2位 Stefan Gimpl(Burton)340pt. 326pt.
3位 Roger Hjelmstadstuen(AIRWALK)134pt. 320pt.
4位 Danel Franck(Salomon)295pt. 311pt.
5位 Thomas Eberharter(Nitro)304pt. 104pt.
6位 Fredrick Sarvell(AIRWALK)276pt. 243pt.
7位 Michi Albin(Burton)205pt. 276pt.
8位 Jonas Emery(Rossignol)141pt. 174pt.


繰り出すエアーの度に違う大技を見せてくれた伝説のライダー、ダニエル・フランクは1本目でロデオ、
2本目はBS900を繰り出したものの4位でスーパーファイナルには一歩手が届かなかった。


果敢に攻めた昨年の王者ヨナス・エメリーは2本ともランディングが合わずここで敗退。
「360とか昨年できなかった技とかもいろいろやりたかったんだけどね。でも楽しんでるよ。」とヨナス。


昨年12月に行われたAir&Styleを制したステファン・ギンプルは今回もSW900を連発。
もちろんどちらもビタビタに決めて、2位で通過。

ミッヒ・アルビン
先日、東京ドームで行われたX-TRAIL JAMのビッグエアーでは見事優勝を手にしたミッヒ・アルビンだったが、
札幌では昨年に続き運に見放されたか、ランディングが合わずここで敗退。

ロジャー・ヘルムスタッドセン
一旦はダニエル・フランクに3位の座を譲ったものの、2本目に昨年のAir&Styleで
準優勝を決めた時と同じく1080をメイクして逆転3位で通過。


予選からずっとSW540、SW720と大きなエアーを完成度100%でビタビタに決めてきたギョーム・モリセット
1度もミスることなく、Finalも1本目のSW BS720で1位通過。
「今日はパイプではなくビッグエアーのコンテストに出場できてとっても嬉しいよ。
オーディエンスが僕を盛り上げてくれるし。」とギョーム。

途中、MCがステファン・ギンプルを「あくまで2位にこだわる男」なんて紹介してたけど、
そんな失礼なこと言ってると来年来てくれなくなるぞ!


Super Final
1位 Guillaume Morisset(Salomon)346pt. 124pt.
2位 Roger Hjelmstadstuen(AIRWALK)245pt. 338pt.
3位 Stefan Gimpl(Burton)332pt. 323pt.


注目のスーパーファイナル。(ここからはダイジェスト形式で追いかけてみる。)
まずは1本目にRoger HjelmstadstuenがFS1080メランコリーを狙うが、ランディングで手をついてしまい245pt.どまり。
続くStefan Gimplはすでに今シーズンのフィニッシュホールドとなったSW900メランコリーで応戦。332ptを叩き出す。
ところがどっこい誰も知らなかった男、ここまでノーミスで340pt.代を出し続けたGuillaume Morissetの勢いは止められない!
SW 720インディで出した得点は過去の大会を含めても歴代No.1の高得点。

目標がGuillaume Morissetの346pt.に絞られた2本目。
Roger HjelmstadstuenはFS1080を完璧にメイク!優勝を確信したかのような大はしゃぎをみせたが、結果届かず338pt.。
しかしStefan Gimplを抜いて、この時点で2位。
それにしても大舞台で1080を連発する彼も先のAir&Styleに続いて同様の2位。
ビッグエアーの神様はまだ彼に優勝を与えない模様。
きっと神様もGuillaume Morissetを応援するみんなの勢いに押されたんだろうなぁ。
最後の意地を見せたいStefan Gimplは2本目でグラブの長〜〜〜〜いSW900を繰り出すが、惜しくも届かず3位確定。
ジャッジに納得がいかず大モメになってしまい。他のライダー達もバツが悪かったそうだ。

さて代役の代役と言う出場で誰も想像すらしなかったGuillaume Morissetの活躍。
ノーマークでのプレッシャーのなさも手伝って、その実力はハープパイプだけでないことを証明して見せた。
1本目で優勝を決めたGuillaume Morissetのウイニングジャンプは・・・
予想通り「思いっきり回したれ!」のノリで900まで回して来るが、絶対脳が揺れたと思うほどの大ゴケを見せて、
札幌の熱い夜は幕を降ろした。

 
今期はずっと今年モデルのSalomonシークエンスに乗っているGuillaume Morisset。
(通常プロライダー達はこの時期になると来期モデルの板を乗っているのだが、まだ新しい板を貰っていないとのことだが?)
まだ笑顔に幼ささえ感じるそんなルーキーの、そして日本ではまだまだ無名なライダーの優勝に会場の反応は冷ややかで、
点数のランキングが1位と出ても歓声は小さ い。
しかし、そんなGuillaume Morissetは大会再高得点記録塗り替え、21世紀初のチャンピオンに輝いた。
きっと来シーズンはひときわ大きな歓声で迎えられることだろう。

先のNIPPON OPENでライダーズミーティングさえばっくれて石内の夜を満喫した(らしい)Guillaume Morisset。
今回は優勝と言う結果を残し、ひときわ大きな歓声をすすきのの夜に残したのかは・・・私は知らない。