大会で本気で勝ちたいと思うなら、前日までに準備すべき事柄は多支に及ぶ。直接勝敗を左右するのはライダーのスキルがもちろんだが、板の走りが悪かったり、ダメージを負った板で転倒してしまっては元も子もない。

道具への不安を取り払ってプレイに専念するためにも、最低次に挙げる項目くらいはチェックしておこう。

競技会前日までにチェックすべき項目

1.大会会場の情報収集

コースレイアウトや、標高をチェック。また当日予想される雪質、雪温、気温、湿度、そして天候などの情報を収集する。

2.スノーボード各部の点検・チューン

エッジ、滑走面のダメージや傷をチェック。問題のある箇所を補修する。またストラクチャーが当日の雪にあうかどうかもチェック。

3.チューンした本番用の板に慣れる

本番様に仕上げたボードで滑走し、ワックスの滑り心地やエッジの立ち具合に慣れる。

4.ワクシング

当日に予想される雪質に合わせて、ワクシングを施す。当日のコンディションが前日まで不確かな場合は、下地のベースだけつくって当日の朝に滑走ワックスを施す。

コンディションを想定したチューン

事前にボードをチェックして、当日のコースや雪質に合わないような点が発覚したら、自分自身で、またはショップ等でチューンしなければならない。以下、お店に出す際の下知識も含め、事前にチューンするポイントについて見ていこう。

エッジチューンの考え方

エッジ角度といえば90度と思っている人も多いと思うが、プロや競技会に出ているような人の中には、自分の好みや雪の状態によって、88度などより鋭角にチューンしている人もいる。

エッジはサイドエッジとベースエッジの二面から成るが、エッジに角度をつけるには、サイドエッジ面から研磨するのとベース面からの2通りがある。その両方の角度を合わせて、89度とか90度といったエッジ角度が形成される。

エッジ角度の好みは人によって様々だが、考え方としては「自分はどこのエッジをもっとも使って滑るのか」「どこのエッジの引っかかりが気になるのか?」などといった点から導き出すといい。

例えば、ハーフパイプをメインに練習している人なら、滑り終わった後、自分の板の滑走面をよく見てみよう。同じワザやルーティンを繰り返すことの多いハーフパイプでは、特定箇所のエッジや滑走面だけがスレていることがよくある。

その部分こそもっとも使う部分であり、常にエッジを鋭く立てておく必要がある。

また、硬い雪面においてエッジのグリップを重視したり、高速でもズレの少ないエッジングをするには、89〜88度といった鋭利な角度が有効だ。

また全てのエッジ角度を同一にする必要はなく、酷使する部分/しない部分ごとに、積極的にエッジ角度やサイド/ベースビベルの角度づけの割合を変えていくのが理想。ちなみに、ベース面のエッジを削って角度をつけるベースビベルを施すと、エッジングの操作感覚は軽くなる。

一方、サイドエッジを削って角度を付けていくと、雪面への食い付きがシャープになる。

いずれにしろ試行錯誤が必要なので、以下、自分自身でできるやりかたを伝授する。しかし自分自身でやる前に、必ず1度はショップ等で好みや滑りのスタイルを伝え、エッジ角度を作ってもらおう。

それを基準に、あとは自分で改良を重ねていくというのが賢い方法だ。また、あらかじめ滑走面のフラットだしをしておかないと正確な角度づけができないので注意!

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エッジの角の立ち具合は、親指の腹で触った感覚で覚えよう。エッジに対して45度くらいの角度で触れるのがベスト

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上から下への感覚をみたら、次に下から上への感覚をみる。触れる方向によって立ち具合に違いが感じられる場合は、バリが出ている可能性がある。

DO IT YOURSELF! ベースビベルのやり方

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ファイルのみを使ったやり方を紹介する。まずはファイルのエンド部にビニールテープを巻き付ける。一巻きで0.3度、三巻きで0.9度が目安

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ファイルの準備ができたら、削るエッジ周辺の滑走面に、保護のためワックスを生塗りする。この際、厚く塗りすぎると角度が狂うので注意!

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ファイルの目を確認したら、エッジに対して45度の角度で当て、手前に引くことによって削っていく。ちょうどファイルの中央付近でエッジを削るのがポイント。このとき右手は添えるにとどめ、決してファイルをしならせないように注意!

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削れて角度が付いてくると、ファイルが滑ってって削れなくなる。そうしたらファイルをオイルストーンに持ち替え、仕上げに入る。ストーンはエッジと平行に、しっかりあてて引こう。滑走面を削らないよう、エッジだけを狙って作業すること。

(専用のファイルガイドを使ったやり方)

ビニールテープをファイルに巻いてビベルするにはある程度の経験がいる。自身のない人は、専用のホルダーを使えば角度設定も決められていてやりやすいだろう。ファイルをセットしてからのやり方は、基本的にテープを巻く方法と同じ

ホルメンコール/ベースビベル・ファイルガイドセット

0.5、1、1.5度という3通りのビベル角度から選べるビベル用ファイルガイドのセット。
¥980
(お問い合わせ先:マツモト工学株式会社 03-3834-6118)

DO IT YOURSELF! サイドッジの角づけ

ここでは専用のファイルガイドを使ったやり方を紹介しよう。ホルメンコール製のこのモデルは、重ね合わせたクサビ状のスペーサーを利用して、好みの角度の位置にファイルを挟んで使用する。

ホルメンコール/アルウィンクル
(お問い合わせ先:マツモト工学株式会社 03-3834-6118)

手袋をしたらボードをバイス台へ縦にセットし、作業開始。細仕上げ用のファイルをはさみ、ガタつかないようファイルガイドをしっかりと滑走面に沿わせたまま、手前に引くことで研磨する。

長いエッジを一気に引くのは難しいので、何回かに分けて作業しよう。また、余計に削り過ぎるのを避けるため、同じ場所で何回かけたか、その回数を数えておくとよい。

ファイルによる研磨が終了したら、次に同じ角度設定の場所にオイルストーンをはさみ、バリなどを落とす仕上げの作業に移る。

>>第8回 「大会で勝つためのチューニング (その2)」へつづく