ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

日本も高齢化社会の到来とか騒がれている。なんでも60歳以上が2600万人を突破したとかで、2020年には日本の人口の3分の1は高齢者になるらしい。数の原理から言って今後文化の中心は若者から老人へ移行する事は避けられそうにない。

あと10年もすれば渋谷、原宿界隈はさびれて繁華街は浅草とかとげ抜き地蔵周辺に移って、そこが老人文化のメッカとなるのだろう。現時点ですでに老人ナンパのメッカとの情報も掴んでいる。とげ抜きの商店街には、50歳未満お断りのカラオケスナックなんかがあって日々合コンが行われていると言うのだ。

「友達に若林豪そっくりの男前がおるんじゃがコンパせんか?」とか、「コンパの後で、老人車(手押しのベビーカーみたいなやつ)で一緒に散歩せんかのう」などと言ってるのか?? そう言えば余談だが、老人車にも有名メーカーやグレードがあってステイタスになっているそうで、うちの近所の婆さんが嫁に内緒で高級老人車を買ったとかいって大喧嘩していたことがあった。もちろん近所では大笑いだ。

あざとい出版業界もこのムーブメントを逃すわけもなく、雑誌だとHOTDOG PRESSあたりが「70歳、この夏のエッチ」とか、「お婆ちゃんの身体ぜ〜んぶ教えます!」など特集しそうだ。当然このTWS誌も「スノーボードのワビ、サビ」とか「50代、60代、70代、世代別テクニック」などの特集がヘッドラインを飾る事になる。

広告は、今は若者向け雑誌に包茎治療がやたらと載っているが、高齢者が読者層だと逆にむけチンに皮をかぶせて若く見せる「逆包茎治療」が紙面に踊る事になる。若者向け雑誌のほうはどうかと言うと、「あなたを10歳老けて見せます! ○×エステ」とか、「脱毛剤であなたも素敵な老け顔に!!」など老人文化に迎合する若者向け商品の広告が中心となるだろう。世紀末か?・・その通りである。

芸能界ではジャニーズあたりが高齢者ブームに乗っかって“キンキジイサン”、“老人隊”などプロデュースして悪のりしそうだ。その他巨乳系の高齢者を集めた芸能プロも売れ線になる(はずせないのは朝丘雪路、京マチ子、浅香光代あたりか?)。そうなるとヘアヌード写真も…うーっ書いてて気持ち悪くなってきた。

好感度タレントは、男性部門一位は毒蝮三太夫。女性なら水戸黄門の“カゲロウのお銀”こと由美かおるで決まり。10年後に彼女がいくつになっているか知らんが、これまでの由美かおるから見てほとんど変わっていないはずだ。あと年輩者に対しても「お嬢さん!」を連発するみのもんただとか、森光子を手玉に取っている東山紀之も高齢者キラーとしてポイントをあげそうだ。

さて、スノーボードの世界だが、こちらも高齢化の波は静かにそして着実に広がるだろう。実際今も競技のほうではシニアクラス(現在の案ではハーフパイプ30歳以上。アルペン35歳以上)が検討されるなど準備も進んでいる。そのうち50歳以上60歳以上のクラス分けも出てくるだろう。

高齢者もスノーボードを楽しむようになるのは、スノーボードを生涯スポーツとしてやっていくと言うことで大変意味のある良いことだと思う。単に高齢者だからと言って家に引きこもっていなくても、エネルギッシュにどんどんスノーボードをしたりする時代になるだろう。スキーでもたまに70歳以上でやってる人がいるが、実に格好いい。高齢者スノーボーダーもお達者スノーボードクラブとか作って、「スノーボードが似合うのは50過ぎてからぢゃ」などのせりふも言ってもらいたい。

最近は歳をくってもみんなどんどん元気になる。シルベスタースタローン(52歳)や尾藤イサオ(55歳)を見れば実年齢が、もはや何の意味も持たないことがよく分かる。加えて、頭脳面もしっかりしている人も多い。先日、森繁久弥(85歳)をテレビで見たが、冴えていた。一部に「森繁はもうボケているのでは?」との噂もあったが、あれは森繁氏の演技であることは明白となった。氏一流のジョークと言ったところか?。恐るべし高齢者パワー。

さて、このように今後パワフルな老人が世にあふれるのはある意味良いことではあるのだけれども、気になるのはそのエネルギーが負の方向に向かい不良化するものも出るのではないかという事だ。(次号の「不良老人とスノーボード」につづく)

お茶の間ボーディング(Transworld Snowboarding誌99'01月号)掲載