ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

10月16日、ブシくんの愛称で知られる藤田真人さんと、ヤグカオこと矢口薫さんのカリスマライダー二人の結婚式が、埼玉県秩父の某所にて行われた。



ビックカップル誕生に、大御所豊田 貢さんはじめ、井上あつし、啓次郎、マグン、ティンゴ、橋本ミッチー、渡辺シンイチなどなど、書ききれないぐらいのビックライダーが大挙して祝福に訪れた。

2次会では披露宴会場にボックスを持ち込みセッションが行われるなど、さらには祝宴は4次会まで行われたとのこと。

ちなみに私は、2次会まででアルコールが致死量(ビール約5リットル)に達しあえなく撃沈。3次会以降のレポートは誰かにたのんます。

今回は、主賓、ハロルド宮本のめちゃくちゃなスピーチを全文掲載!

この後にスピーチしてくださった猪狩さん、やりにくくなって本当にごめんなさい。

結婚式のスピーチ

「ただいま、ご紹介にあずかりました、“酒と女と嘘が嫌い”のフレーズでおなじみのハロルド・ミヤモトでございます。
真人(まさと)さん、薫さん、藤田家、矢口家ご両家の皆様方、本日は誠におめでとうございます。
心からお喜び申し上げます。スピーチが長くなりますので、どうぞご着席ください。



さて、このような披露宴のスピーチと申しますと、内容は、ほとんど決まっておりまして、いつまでも仲良くとか、お互い協力して幸せな家庭とか、そういうことを話します。

まあ当然ですが、それらは現実ばなれしていて、奇跡を願うようなものばかりであります。結婚生活というのはそういうもんです。うそだと思うなら、私の額の爪あとをご確認ください。

私は、女性に暴力を振るったことはありません。うちの家内も暴力を振るう男は最低だと常々言ってますが、そういう女性に限って、自分は平気で暴力を振るうんですね。

ちょっと、話が横道にそれましたが、たまには、「なんで結婚なんかするんだ!」と叱ったり、結婚の悲劇を主張する人がいてもよさそうなもんですが、そういう人が披露宴に呼ばれる可能性はゼロに近いので、いまだお目にかかったことはありません。

唯一、聞くところによりますと、梅宮辰夫さんがあちこちの披露宴で、「結婚なんてやめたほうがいい」とスピーチしているらしいですが、彼の場合は日本中が彼の不幸を知っていますので、彼なりの激励である、なんて言ってまわりが良いように解釈しているようです。

さて、言葉にはさまざまな機能があります。愛を伝えたり、時にけんかをしたりしますが、忘れてはならないのが人を退屈させるという機能であります。

特にこのような結婚式の披露宴など、あらたまった席では必ず、退屈させるためのスピーチが用意されています。まさに、いま、私がやっているわけですが。

スピーチが全員あわせて5分程度の長さならまだいいんですが、ほとんどの人は、短いスピーチでは失礼になると考えているからやっかいです。

たとえばよく、「簡単ではありますが」と断る人がいますが、こういう人の話が簡単であったためしがありません。第一「簡単ではありますが」という部分が余計です。

余計な部分を入れることに何も抵抗を感じないのですから、話を短くすることに努力を払う気がないことはあきらかです。

それとは逆に、「話が長くなってしまいましたが」と断る人がいますが、こういう場合、本当に長い。話す本人が認めるぐらいだから、他人が聞けばもっと長いと感じます。

また「一言で言いますと」と要約する人もいますが、一言で言えるなら、どうして初めから一言ですませてくれなかったのか。さんざんしゃべったあとで今さら要約されても、要約の部分だけ長引くだけです。



先日も、イチローの記録達成を受けての小泉総理が似たようなパターンでした。
「すごいの一言に尽きる。80年、90年、100年たっても現れないような選手だ。いくら賛辞してもしすぎることはない」
と、“総理、ぜんぜん一言で尽きてませんよ!!、残念!!”と思わずテレビに突っ込んでしまいました。

このように、どう工夫をしてもことばが退屈させる機能しか果たさない場合があります。

誰かがスピーチしている間は、参列している人はスノーボードしたりビデオを見たりするわけには行かないので退屈するしかありません。ほかにできることといえば、目の前の料理がさめるんじゃないかとやきもきするぐらいです。

スピーチの間、新郎新婦は、当然、神妙な顔をすることを義務づけられていますが、心の中では、「ミヤモトが何かとんでもないことを話しているぞ」とか、「友達がスピーチで余計なことを言わないか」とか心配して、聞くどころではありません。

このように、参加者全員がスピーチなんてちょっと・・・とか思っているのに、必ずスピーチが行われるのは不思議じゃありませんか?ですよね。

なぜ、結婚式でスピーチが行われるのか。それは、新婚の二人がこれからの生活で味わう現実と苦労を、とりあえず今日だけでも関係者全員で分かち合おうということなんですね。

結婚して生活を始めて、夫婦の会話なんていうのは、99%が退屈なもんです。

だんなが疲れて帰ってきて、早く風呂に入って寝たいとか、また逆に奥さんが育児で疲れていても、退屈な話、スピーチを相手に聞かされるなんて場面が多々あります。



でも、夫婦円満のためには、迷惑そうな顔をしないで、きちんと聞いてあげてください。くじけそうになったときは、今日のこの披露宴のスピーチをみんなで耐え忍んだことを思い出してください。

それが、夫婦いつまでも仲良くできる唯一の秘訣だと思います。

こんな無茶苦茶なスピーチでも司会のかたは、「ご新郎ご新婦の今後の生活の糧になる、大変貴重なお話を・・・」なんてマニュアルどおりのコメントされるんでしょうか?

楽しみです。

また、これからあとにスピーチされるかた、やりにくくなったらごめんなさい。

本日はおめでとうございます。

ご清聴ありがとうございました。」

HEAVY SNOWker(ハロルド・ミヤモトコラム集04'11月号)掲載