ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

星明かりに照らされて、女の影があった。

学校の宿直室の様な狭い部屋。鼻腔にカビの臭気が広がる。

4人の男の影が女を囲み、そして乱暴に重なった。

「やめてください。はなして」

消え入るような女の叫びが薄暗い畳張りの一室にすいこまれる。

男たちの8本の腕が、女の身体を嬲っている。

女は両手を後ろで縛られていた。

和服の裾が乱れる。暴れる足を押さえつけられ、その付け根に荒々しく手がねじ込まれた。

包装紙を乱暴に破くように服がはぎ取られていく。

「いい身体してやがるぜ」

暗闇に女の乳房が白く浮き上がった。

男たちは容赦なかった。左右から2人の男が乱暴に乳房に貪りつく。

乳首を吸われながら歯を立てられ、女の眉間に苦痛がよぎる。その表情が男たちをさらに獣欲に掻きたてた。

別の男が太股を汚らしい唾液でべとべとにしていた。

皆すぐに目的を果たそうとはしなかった。徹底的にいたぶるつもりだ

女の苦痛の喘ぎが、淫らな響きを帯びてきていた。

「おい、飲めよ」

口に唾がそそぎ込まれる。

女はむせかえりそうになったが、男のナマコのような舌をねじ込まれ飲み下すしかなかった。

「電灯をつけろよ。明るいところでもっと見てやる」

「あぁ、いやよ。お願いやめて…」

男たちに嬲られながらも、羞恥の心に身をよじった。

明かりが付けられた。

男たちは皺だらけの上半身にお腹だけぷっくりと突き出していた。爺さんと呼んで差し支えない年齢だろう。女は…、女は…!? うっ、えっ??婆さんじゃないか!!

げげげげっ!老人による老人レイプ犯罪。膨らんだ股間もタイタニック(即沈没)。まさに地獄絵図だ。

先日老人ホームでレイプ事件があったとのベタ記事を基に、想像だけを頼りに忠実?に描写してみた。つい1年前までこんな事件は想像だに出来なかったであろうが、犯罪も含めて従来の常識は急速に色褪せてきているのがよくわかる事件だった。

これからは望む、望まないにかかわらず社会は高齢化する。良い面としては年をとっても臆することなく、若者並のバイタリティーでもって生涯スポーツとしてスノーボードを楽しむ等、人生を十分に堪能できる世の中になるだろう。しかし、もしそのエネルギーが負の方向に向かえば史上最悪の不良(ワル)と化す可能性も秘めている。

現に手元にある犯罪白書(法務省法務総合研究所刊)でも、年齢別の新受刑者の中で50歳以上と60歳以上が割合が増えている。逆に少年犯罪は、オヤジ狩りや淫行などで話題になるので増えているのかと思われるが、実はデーター的には減少している。

この傾向がさらにエスカレートすれば、不良老人が不良少年を数で凌駕する事になるだろう。そうなれば、かって若者がオヤジ狩りをしたように、今度は若者が狩られる立場なる事も想像に難くない。因果応報とはよく言ったものである。若者は年功序列の会社の下っ端みたいに、ひたすら早く歳をとる事に希望を抱くしかない。

さらに不良老人と不良少年を単体で比べたらどうだろう。改めて言うまでもないが世の中で一番恐ろしいのは失う物が何も無い者だ。商売人なら裸一貫、渡世の世界なら鉄砲玉、板前なら包丁1本。土壇場では身軽な者が有利なのである。そう言った意味で、金も身内も名誉も失う物の何も無い老人がいるとしたなら、それはもっとも危険な存在だ。若いうちはそれでも未来という失いがたいものがあるが、それすらない。ここでも不良老人に分がある。

さて、スノーボードの世界で老人が不良化するとどうなるかと言うと、たとえばパトロールが滑走禁止区域を滑っている老人ボーダーを捕まえたとしよう。「あそこは危ないから滑っちゃだめだ。死ぬぞ君」なんて言っても「いいよ何時死んでも」と言われれば説得できない。「どうせ未来なんて無いよ」と言われてしまう。「お母さんも心配するぞ」と言っても親族はもう死んでいるケースも多いだろう。どうせ老い先短いと腹をくくっているから始末が悪い。

もっともトリックは腹をくくることによってヤバクなって、見ている方は楽しめるかも知れない。生存率10%以下の「棺桶Flip」とか、「三途の川1080s Indy」、「臨終Twistグラブ付き」も見られるかも知れない。

もう一つバイアグラの問題もある。不良老人にバイアグラは、ストーカーに刃物を渡すような物だ(或いは極貧国に核ミサイル)。危険な薬なので、副作用で多少犠牲者も出るやも知れ無いが、逆に副作用をもろともしない強靱な老人だけが残ることも想像に難くない。冒頭のフィクションではないが、これによって今まではどうしてもカバーしきれなかった生殖能力が延命でき、より凶暴化するのは必至だ。老人ホームの集団レイプ事件だけでなく、今度は逆に爺さんが無理矢理バイアグラを飲まされて、婆さん連中に廻されるケースも出るだろう。

経験豊富なのに肉体的には20代と変わらなく、なおかつ失うものの無いスーパー不良老人が出現するのも時間の問題だ。そうなればスノーボーダーもゲレンデの不良老人に要注意。若者の不良なんてかわいいものと言われる時代は、すぐそこまで来ているのだ。

お茶の間ボーディング(Transworld Snowboarding誌99'02月号)掲載