ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

むかしむかしある所に、ピーターと言うとてもスノーボードのうまい若者がいました。ピーターには同じようにとてもスノーボードのうまい7人の友達がいて、一緒に世界を駆けめぐり、人々に勇気と感動を与えてきました。

あるときピーターと仲間たちは東にある小さな島国を訪れました。そしていつものようにスノーボードをしていると、ゲレンデで一人のおじいさんが泣いているではありませんか。ピーターはおじいさんに駆け寄ると尋ねました。「おじいさん、どうしたんですか」おじいさんはそれでも泣きじゃくるばかりでしたが、仲間の一人のデバンが水筒に入れていたコーヒーを飲ませるとようやく落ち着いたのかポツリポツリと話し始めました。

「実は、最近このあたりに狼がでるのじゃ。昨日もわしのかわいい孫娘が犠牲になってしまった。本来ならばこの老いぼれが先に逝くべき所を・・・。神様はむごいことをなさる・・・」

おじいさんの言葉はまるで葬式の時の森繁久弥のようでしたが、もちろんピーター達は知るよしもありません。ピーターとその仲間達は顔を見合わすと、おじいさんに向かってこう言いました。
「わかりました、おじいさん。僕たちがその狼を退治いたしましょう」

さて、その日の夜の事。一度は引き受けたみんなでしたが、もともとスノーボードしか取り柄がありませんので、どうやって退治していいかわかりません。

「ねぇ、何かいいアイディアは無いの?ジェーピー」
ピーターが聞きました。
「うーん。何処に狼がいるかもわからないしなぁ・クリスはどう思う」
「そうだな、聞いた話だと狼は若い娘を好んで襲っているみたいだし、ここはバスフィッシングと一緒で、若い女をルアー(誘い)として狼をおびき寄せるのがいいんじゃないかな」

みんなはクリスの意見には100%賛成ではありませんでしたが、他にいい意見も無かったのでそうすることにしました。とりあえず一番有名なピーターが声をかけることになりました。そしてみんなが思ったようにピーターが声をかけると面白いように女の子がついてきました。しかしピーターも声をかけるごとに飲みなれないライスワインを飲んでいたもんですから、べろべろに酔っぱらってしまいました。やがてお酒はピーターの大脳や小脳、脳幹や海馬器官まで麻痺させてしまいました。ピーターがもうまっすぐ歩けないほど酔っぱらった時、そこへとてもかわいらしい看護婦さんがやってきました。

「あなた、ピーターさんね。私はずっと貴方のことを待ってたの。お願い私を抱いて」
まわりにいた仲間や他の女の子達は必死でピーターを止めましたが、すでに酔っぱらっていたピーターはもうおっぱいをさわったりしています。とうとうピーターはみんなが止めるのも聞かずその子と一夜を共にしてしまいました。

次の日の朝、ピーターは驚きました。彼の隣に寝ていたのは、なんと30過ぎのおばさんだったのです。ピーターは後悔しましたがもう遅すぎました。するとそのおばさんは言いました。
「これに懲りてもう若い女を喰ってはだめじゃよ」
そうピーターが狼だったのです。ピーターはこれに懲りてもう二度と若い女の子には手を出さなくなったとさ。
めでたし、めでたし。

明るい生活(雪坊主誌99'04月72号)掲載