ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

なんでスノーボードをやるのかと時々聞かれるが、これはもう「気持ちいいから」に他ならない。

以前、水虫になったときに足の裏を掻いたらオナニーより気持ちよかった経験があるが、それよりもスノーボードはもっと気持ちがいい。たとえば、よく晴れた朝にピークから新雪のバックカントリーを一気に滑り降りるのは誰が考えても気持ちいいが、雨が降っていてぐちゃぐちゃの泥まみれの雪の上を「全然滑らね〜」などとぼやきながら滑ったり、斜度40度のカチカチのアイスバーンでエッジが抜けて下まで転がり落ちのもまた気持ちがいいのである。

何をもって気持ちがいいかは個人の自由なのだけど、そう言えば2年ぐらい前に、スノーボードのビデオでもその曲が使われていたオーストラリアのロックバンドINXS (イン・エクセス)のリードボーカル、マイケル・ハッチェンスが死亡した事件があった。

彼はドアノブにベルトを引っかけて首を吊って死んでいたらしいが、アメリカの大衆紙では自殺ではなく、auto-erotic asphyxiation(自動的に性欲をかき立てる窒息)と呼ばれる危険なオナニーによる事故であると報じていた。

初めて聞いたが、自分で自分の首を絞めるなどしながら自慰をするんだろうか?

元恋人のポーラ・イェーツも「遺書もないし、裸で死んでいたということが証拠だ」と言っていたらしい。
ま、本当のところはどうだかわからないが、もしそうなら何か悩みがあって最後の選択肢として仕方なく死を選んだというような事ではなく、単に気持ちいいことをしようとして失敗したということになる。

でもそうであっても別に自分は格好悪いとも思わないし、気持ちいいことを求める精神には何か通じるものすら感じる。

ドアノブを使って遺書もない謎の自殺というのは、日本でも最近の元TBSアナウンサー氏とか、その前にも大物ミュージシャンで聞いた気がするが、滅多な事を言うと大衆を敵に回す危険性があるのでこれ以上はコメントを差し控えさせてもらいます。

でも「自動的に性欲をかき立てる窒息」よりスノーボードの方が気持ちいいのは間違いないので、試すならやっぱりスノーボードでしょう。(お後がよろしいようで・・・)

明るい生活(雪坊主誌99'11月78号)掲載