ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

アメリカ代30代大統領にカルビン・クーリッジという人物がいた。「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」なんていう名言を残していて行政手腕もすぐれた大統領だったそうだが、政治以外にも後の生物学に大きな影響を与えるある発見をしている。

それは彼が夫人や政府の高官を伴って農場に視察に出かけたときのこと。そこの農場では麦やとうもろこしを作る一方で牛やにわとり等の畜産もしていて、ちょうどクーリッジが訪れた時は、にわとりの種付けをしている最中だった。

たくさんのメンドリがいる中に一羽のオンドリが入れられると、そいつは次から次へと種付けを行ってゆき、あっという間に10羽以上も種付けを終えた。まさに精力絶倫といった感じだ。

それを見た大統領夫人はくすっと笑うと、

「あなたとは、えらい違いね」と言った。

ここまでだと、いまいち面白くもないアメリカンジョークみたいだが、さすがは名大統領クーリッジ、現在のフェラチオ好きでハッパも決めるクリントンとは一味違う。するどい彼はおもむろに農夫に聞いた。

「あのオンドリは、さっきから見ていると次々と違うメンドリを追いかけているが、オンドリは同じメンドリと2回はセックスをしないのかね?」と尋ねた。

農夫は深くうなずくと、

「うんだー、大統領さま。オンドリは一度種付けすると、次は必ず違うメンドリとしますだぁ。」と説明した。

それを聞いた大統領は得意満面の笑みを浮かべて、

「そーら見ろ、わしだって新しいおねえちゃんだったらなんぼでもできるもんねー」と言ったそうだ。

「どの口がそんな事いうてんのんや?え?この口か?もっぺん言うてみ、え?言えんのか?ええからもっぺん言うてみぃ!」

という具合にこの後でクーリッジが夫人から手ひどくお仕置きされたことは想像にかたくないが、じつはこれが後に生物学会に一大センセーションを巻き起こし、クーリッジ現象として名前までついた歴史に残る法則の発見の瞬間だった。

オンドリは一度セックスしたメンドリとは二度とセックスをしない。

種族、或いは自己の種(しゅ)を残すためにオスはより多くのメスに種をばらまく。これは「種の保存のためのプログラム」を神から与えられた地球上すべての生物にとって、ごく自然な成り行きなのだろう。

よく浮気性の男性をさして「下半身に人格がない」などといって蔑む人がいるが、とんでもない誤解だ。下半身こそ人類の進化のためによかれと思って行動しているだけの話である。むしろ誉められてしかりである。

ところで、種の保存にはもう一つ大切な側面がある。それは進化のため、より優秀な種が残らなければならないということだ。すなわち、オスはメスにアタックをして争い、そのなかで力なき者は敗れ淘汰され、優秀なものが勝ち残ることによって種をより強固なものに進化させると言うわけだ。

そしてそのためにはメスがいわゆる「おさせ」ではいけない。メスはなるべくオスを戦わせ、より優秀な種を選ばなければならないのだ。優秀なメスは当然の如くより多くのオスを戦わせるためにガードが堅くなり、逆にあまり優秀でないメスは「おさせ」になるしかないのである。

「おさせ」の女の子は慈愛に満ちた心優しい子が多いようだが、生物学的に言えばあまり優秀ではないのである。種族保存の目的の前にはいくら「させてあげる」と言われても涙をのんで断るのが正解だ。

ま、一般的に女性のほうが往々にてガードが固いのは実はこうした種族保存の本能に起因していたのだ。

またこのコラムを読んでいる今まで女性にもてたこともない君、彼女のいない君は、それは運が悪いとかそういうことではなく、種族を保存する上においてすでに敗れている、あるいは優秀でない種の持ち主であることを自覚しなければならないだろう。

ところで、スノーボードのうまい男がもてるという事実があるが、これはすなわち種の保存にとってスノーボードのうまい男のほうが優秀だからなのだろう。これからは男性はよりスノーボードの腕を磨き、女性はよりガードを堅くして男を選ぶのが生物学的に正しい生きざまである。

お茶の間ボーディング(Transworld Snowboarding誌00'05月号)掲載