ハロルド・ミヤモト氏ハロルド・ミヤモトのスノーボードコラム集

1月4日付けの新聞に「125の顔で借金をした」と言う大阪の主婦の記事が載っていた。

今は消費者金融(昔で言うサラ金)の業者はほとんどがオンラインで結ばれていて、お金を借りようとする人の名前と生年月日から、過去の履歴がすぐにわかるようになっている。過去に事故(支払い不履行)をしたことがあるとか、他の業者から今いくら借りているか等をチェックして貸すかどうかを決める。昔で言うならブラックリストの進化系だ。

この主婦はこのオンラインのリストから逃れるために、たとえば本名が「大阪花子」だとすると、「大橋花子」とか「小坂花子」と言うように名前の一部を少しずつ変えたり生年月日をいじったりしていた。こうして別人を装って審査をごまかし、色々なローン会社から合計で5000万円以上借りていたと言うのだ。まるで青木雄二の「ナニワ金融道」を地でいくような詐欺事件だ。

特に狙われたのはスポーツ新聞なんかに載っているFAXや電話一本で振り込みをするという振り込みローンらしい。昔ならリストを目で見て、チェックするので何となく似ている名前でおかしいと気づいたかも知れないが、コンピューター処理では一字違っていてもOKになってしまう。デジタルな便利さが逆目に出ているようにも思う。

ところで、ふと思ったがこれが外人ならもっとうまく誤魔化せるのではないだろうか。たとえばテリエ・ハーコンセンなる帰化日本人がいたとしたなら、テリジェ・ハーコンセン、テリエ・ハッカセン、テリエ・ハーカンセンなど簡単に偽名が作れてしまう。もともと外国語の発音をカタカナ表記するには無理があるため突っ込まれても、全部正しいとも言い切れるだろう。事実テリエがメディアに出始めた頃は雑誌によって表記がばらばらだった記憶もある。今でもマイキー・レブランクとマイキー・ラブランクとか、デボン・ウォルシュとデバン・ワルシュなんていう具合にまちまちな人も多い。

ついでに名前の話をもう一つ。知っている人もいると思うがスキーのジャンプ選手で、この前のワールドカップで活躍したフィンランドのヤンネ・アホネンという人がいる。はっきり言って「アホ」だけでもインパクトがあるのにさらに関西特有の接尾語「ネン」まで付く念の入れようだ。さっきの話と同じで、実際の発音をカタカナに変えることなどできないので、「ヤホネン」でも「アハナン」でも構わなそうだが、あえて「アホネン」にしたのは何故だろう?

まあ本人が知らないうちになっちゃったんだとは思うが…。一度吉本の坂田利夫と漫才かなんかで絡ませてみたい気がする。

明るい生活(雪坊主誌99'02月70号)掲載