栃木県那須町で高校生ら8人が死亡した雪崩事故。事故当時、なだれ注意報が出ていたにもかかわらず、登山訓練が行われた。一体なぜ強行されたのだろうか。
◇事故のあらまし

■高校生ら48人が、雪崩に巻き込まれ、8人が亡くなった大惨事。雪崩は2方向に流れ、亡くなった生徒たちは尾根を挟み、ゲレンデとは反対側で発見された。

■7つの高校の生徒ら48人が参加した登山講習会は、2泊3日の日程で行われた。最終日の27日は、悪天候のため、当初予定していた登山を中止。代わりに「ラッセル」と呼ばれる雪を踏み固めて進む訓練が行われた。

■生徒らは5つの班に分かれていて、最初の1班が大田原高校で編成されていたといい、そこを中心に雪崩が発生したという。


◇「場所の選定、慎重に行うべきだった」

■深い雪をかき分けて、踏み固めながら道をつくって進むラッセル。悪天候の中でのラッセル訓練は適切な判断だったのだろうか。訓練を続ける判断について山岳の専門家は―

■「先頭を歩いていた方たちが大きな被害を受けたということですので、おそらく大勢の人が斜面に踏み込んだことによって、雪面にショックを与えて、一番弱い部分から崩れたということだろうと思います」「ラッセル訓練をこれだけ雪が降った中でやるということであれば、場所の選定はより慎重に行うべきだったと思う」(山岳ガイド・山本篤さん)


◇全員が「ビーコン」装着せず

■また、死亡した高校生ら全員が、雪崩に巻き込まれた際などに自分の位置を発信できる「ビーコン」という機器を装着していなかったことがわかった。

■山岳救助隊によると、ビーコンを装着していれば、参加者らの力で、救助することも可能な場合もあるという。


◇「表層雪崩」起こしやすい雪

■26日の夜から、雪崩が発生した、27日までの天気図を見てみると、太平洋側に低気圧が発達しながら東に進んでいた。実は、この低気圧による雪は「表層雪崩」を起こしやすい性質があるという。

■防災科学技術研究所によると、一般的に日本海側で発達した低気圧による雪は、結晶が星の形をしていて、一方、太平洋側の低気圧がもたらす雪は六角型の形が多く、六角型の雪はサラサラとしていて滑りやすい性質があるという。現場で雪質を調べた研究者は―

■「今回、現地で見つかった雪は、単純な形、六角形のものが多かった」(防災科学技術研究所・雪氷防災研究センター 小杉室長)


▼高校生はビーコン持っていなかったか スキー場




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