backcountry
手稲山山頂付近に設置された「ゲート」。英語で「コース外への立ち入りは自己責任で」などと注意事項が書かれている=札幌市手稲区のサッポロテイネスキー場

人気のバックカントリー 遭難すでに昨年上回る

スキーやスノーボードでスキー場のコース外などを滑走する「バックカントリー」での遭難事故が、今年は2月末現在すでに30件に上り、昨年1年間の25件を超えたことが8日、道警のまとめで分かった。外国人によるバックカントリーブームの過熱を背景に、もともと人気の高かったニセコ地域だけではなく、札幌や近郊など観光地に近いスキー場周辺での遭難も増加傾向にある。各スキー場は対応に苦慮している。
遭難者38人のうち18人が外国人観光客

道警によると、今年2月末現在、バックカントリーの遭難は30件で、遭難者は38人に上る。このうち18人が米国やオーストラリア、スイスなどからの外国人観光客だった。2月にニセコアンヌプリ(後志管内倶知安町、ニセコ町)で日本人男性(47)が立ち木に衝突して死亡するなど死者が2人、負傷者が11人出ている。

発生場所は、バックカントリー人気の高いニセコアンヌプリの12件を筆頭に、手稲山(札幌市)の6件、貫気別(ぬきべつ)山(同管内留寿都村)の4件が続き、朝里岳(札幌、小樽市)でも2件あった。札幌のスキー場関係者によると、ニセコ地域はバックカントリー客が飽和状態となっており、札幌や小樽など観光地に近いスキー場に流れているという。

ニセコ地域のスキー場は2001年から、コース外に出られるゲートを設け、雪崩の危険があれば通過を禁じる「ニセコルール」を運用している。こうしたゲートは近年、バックカントリー客の増加を受けて札幌や近郊のスキー場にも広がっている。

キロロリゾート(後志管内赤井川村)では今季からゲート6カ所を設置。係員が2人ずつ常駐し、道警への届け出の有無を確認している。道警によると、3月6日時点で届け出者は延べ1万人を超え、8割が外国人客だという。サッポロテイネスキー場(札幌市手稲区)は昨季、富良野市スキー場は今季からゲートをそれぞれ設けた。

ゲートを設置することで入山地点を限定、下山ルートを絞り込むことができ、遭難の際に迅速な救助につながるという。ただ、各スキー場はあくまで「コース外での事故に責任は負えず、バックカントリーは自己責任で」との立場。係員がゲートに常駐していないスキー場もあり、知識や装備が不十分なまま入山する客は依然として多い。

札幌手稲署は1、2月、サッポロテイネスキー場で外国人客向けの啓発活動を実施。署員らは「天気が悪い時はコース外に入らないように」などと英語併記で書いたチラシを配布した。北海道山岳ガイド協会(札幌)の石川裕司会長は「スキー場も経営的にもはやバックカントリー客を無視できないはずで、外国人向けの講習を開くなど、安全確保に向けて積極的に関わる時期に来ている」と指摘する。

北海道新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160309-00010000-doshin-hok



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