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ゲレンデない島牧村 大自然スキー事業化へ

◆今冬めざす、安全管理が実現のカギ

スキー場のない島牧村が、自然のままの冬山を「キャット」と呼ばれる雪上車で登り、国有林の中をスキーやスノーボードで滑り降りるキャットスキーの事業化を目指している。今冬の開始に向けて、関係機関らによる実行委員会の初会合を13日に開く。国内に例がないスキーのスタイルだが、国有林を管理する林野庁は、安全対策や救助態勢の整備などを条件に、前向きに検討する方針だ。
■標高差800メートル

島牧村では、村南部の狩場山系で国有林489ヘクタールを含む604ヘクタール(東京ドーム約130個分に相当)をキャットスキーのエリアに想定している。事業計画書によると、賀老高原駐車場(標高517メートル)から11人乗りのキャット3台で東狩場山(同1318メートル)山頂付近にスキーヤーを運び、総延長約2100メートル、標高差800メートルの大自然を一気に滑る。12月中旬から翌年4月中旬まで100回程度行い、約3000人を受け入れたいとしている。

同村は林野庁に対し、国有林野の地域管理経営計画で、一帯をスキー利用が可能な「野外スポーツゾーン」に指定するよう要請、使用許可を求めている。実現すれば、複数の業者にアイデアや実施方針などを提出させる「プロポーザル方式」で実施業者を決める方針だ。すでに、複数の業者が関心を示しているという。

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■お手本はニセコ

ただ、未整備の冬山は雪崩や遭難などのリスクが高く、狩場山系には近くにスキー場などもないため、安全管理や救助態勢が実現のカギを握る。村では、国際的なスキーリゾート・ニセコ地区で長年、雪崩情報を発信し、遭難防止に取り組んでいるニセコ雪崩調査所の新谷暁生所長(68)をアドバイザーに招き、当日の天候によりツアーの可否を判断する仕組みを策定する。新谷所長は「リスク判断を業者任せにせず、村主導で毎日、現地を調査して判断することが大切」と指摘し、「狩場山は危険もあるが面白いコース。安全性の見極めは難しいが、きちんとやれば出来る。調査所を挙げて協力したい」と語る。

■道警が助言も

遭難や事故に備え、実施業者には捜索用の予備のキャットを準備させ、地元のスノーモービル愛好団体などと連携して、初動の捜索や救助を行う。状況次第では、道警に山岳救助隊やヘリの出動を求め、本格的な捜索を行うことにする。道警は取材に対して「事故や遭難に備え、適切な対策を助言していく」としている。

林野庁北海道森林管理局によると、周辺にスキー場がない自然の冬山でキャットスキーが事業化されれば、国内初となる。担当者は「前向きに検討するが、無理のないツアー実施の判断、実効性のある捜索・救助の態勢が構築されているかなど、丁寧にチェックしたい」と話している。

〈キャットスキー〉自然のままの冬山でパウダースノーを楽しむバックカントリー(BC)スキーの一種。欧米では「ヘリスキー」と並び、人気がある。国内のBCスキーは、スキー場のゴンドラなどで山頂に近づき、ゲレンデ外に出るのが一般的。一部、キャットで山頂を目指すツアーもあるが、スキー場近くのエリアに限られてきた。

(Photo:イメージ | Credit: definitioncamps.com)

○北海道観光 島牧村 観光情報サイト
http://shimamaki.jp/

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20151011-OYTNT50020.html