バックカントリー

バックカントリースキー 遭難死亡の6割超が雪崩に遭遇

◇雪崩の専門家「危険回避の知識普及が必要だ」

自然の冬山を滑るバックカントリー(BC)スキーで2011〜13年に遭難して死亡した人の6割超が雪崩に巻き込まれていたことが警察庁のまとめで分かった。雪崩の専門家は「BCスキーシーズンは5月ごろまで続く。危険を回避する知識を普及させる仕組みが必要だ」と指摘している。
警察庁によると、全国のBCスキーでの遭難者数は11年から統計を取り始め、13年までの3年間で174人に上った。うち34人が死亡。62%に当たる21人が雪崩が原因で、滑落9%、落石と道迷い各3%などと続く。死者は11、12年が各7人だったが、13年は20人と大幅に増加している。

今季も全国各地で遭難事故が相次いでおり、BCスキーが盛んな長野県では4日現在、6人が遭難し、うち3人が行方不明になっている。

山岳ガイドらによると、BCスキーは1990年ごろから新雪にシュプールを描く魅力を求めて挑戦するスキーヤーが増え始め、07年ごろには用具の改良もあって愛好者が急増したという。

研究者や山岳ガイドでつくるNPO法人「日本雪崩ネットワーク」(横浜市)の調査では、09年冬から14年春までのBCスキー中の雪崩による死者は全国で29人。うち9割が雪崩時の捜索に使うビーコン(電波受発信機)を持っており、出川あずさ理事長は「死者の多くは安全に配慮していたが、かつて無事に滑れた経験を信じ、その場の危険性を正確に把握しなかったのではないか」とみている。

同法人は事故を防ぐため、メーリングリストで、北アルプスの雪の状態などを発信し、愛好者らを対象に講習会を開いている。出川理事長は「カナダでは地域ごとに、行政の助成を受けた非営利団体が雪崩情報を発信している。日本もこうした仕組みが必要だ」と提言している。

◇雪崩回避のための注意点(日本雪崩ネットワーク)
・雪崩の起きやすい38度前後の斜面やすり鉢状の沢筋などでは慎重に行動する
・雪の量や、雪の弱さなどコンディションを把握する
・雪崩が起きやすい場所では、1人ずつ滑るなど、危険にさらされる人数を最小限に

(写真:閉鎖されたスキー場のゲレンデでバックカントリースキーを楽しむスキーヤー=長野県小谷村で2015年2月15日、巽賢司撮影)

毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150305k0000m040082000c.html

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