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湯沢で救助された3人も請求 スキー場コース外遭難の代償

スキーヤー、スノーボーダーは心した方がいい。

正月三が日に新潟県湯沢町「かぐらスキー場」のコース外で男女3人が遭難した事故。今回は全員無事で何よりだったが、身勝手な遭難による代償は大きいことも覚えておくことだ。
3人は、スキー場のコースとは反対側の「バックカントリー」を滑走しているうちに遭難してしまった。

「バックカントリー」とは、自然の山中を滑るスノボのスタイル。人工じゃないふわふわの雪の上を滑れると人気で、最近、同様の遭難が増えているという。

2010年には、長野県野沢温泉村がコース外で遭難した場合、遭難者が捜索救助費用を弁償する全国初の「スキー場安全条例」を制定。以来、同様の措置を取るスキー場が全国規模で広まっているという。

「制定したのは、コース外には雪上車を出さないと入れないことが多いから。ほかにリフト稼働や救難スタッフの人件費など、スキー場側の負担が膨大になったためです。それでも、コース外の遭難事故は、年に数件から10件程度起きています」(野沢温泉村商工観光課)

賠償額はピンキリで、スキー場関係者は「捜索にかかった時間、場所、駆け付けたスタッフの数を考慮します。総額数万円から数百万円に上るケースもあり得る」と打ち明けた。

■民間ヘリの相場は1時間100万円

ちなみに、富山市にある「立山山麓スキー場」のHPにはコースエリア外での「捜索救助費用」として、「1時間あたり、パトロール隊員1人2万円、雪上車1台5万円」などが明記されている。

捜索救助費用
立山山麓スキー場利用約款より

湯沢町で遭難した3人も賠償責任を問われるようだ。

「救助のために、2日間で警察、消防など延べ9人の地上部隊と県警のヘリ1機が出動しています。今回は、地上部隊のうち、民間の山岳救助隊員1人の傷害保険加入費用と日当を負担してもらいます」(捜査事情通)

日当は、各地域の山岳遭難防止対策協議会などによって定められている。さらに今回は、山岳部隊にスキー場関係者が2人含まれていたため、スキー場への賠償も考えられるという。

「また、公用のヘリを飛ばせるのは、夏で約1週間、冬で3、4日が限度。それ以上かかる場合は、民間のヘリを飛ばしてもらうよう伝えていますが、料金は1時間100万円からが一般的です。結果として、捜索を諦めるケースが多い」(前出の事情通)

スキーはおとなしくコース内で楽しんだ方がいい。

(※写真はイメージ:backcountry.comより)

日刊ゲンダイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150107-00000016-nkgendai-life

スノボ遭難 雪の山を甘く見たツケ

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「冬の山というのは本当にこんなに恐ろしいものなんだと…やっと分かりました」

2日ぶりに救助されて、おえつを漏らした男性の言葉をしっかりかみしめたい。

新潟県湯沢町のスキー場のコース外でスノーボードをしていた東京の男女3人が2日から行方不明になり4日朝、無事発見された。

この場所で滑るのは5回目だったが、いつもより雪が深く景色が違っており、方向に迷った。吹雪にもなり、2日間、雪洞を掘って寒さや空腹をしのいでいた。男性は「もう1日、雪洞で過ごすことになったら命はなかったと思う」と話した。

スキー場コース外の天然の斜面は「バックカントリー」と呼ばれる。圧雪整備されたゲレンデに飽き足らず、新雪の爽快感を求めてスノーボードやスキーをする人が少なくない。3人が遭難した日も約30人がコース外で滑走していたという。

一方でバックカントリーでの遭難が後を絶たない。

長野県内でも北安曇郡白馬村の八方尾根で2000年、スキー場近くの立ち入り禁止の沢をスノーボードで滑っていたニュージーランド人3人が雪崩に巻き込まれて死亡。救助方法をめぐり国際問題になりかけたのは記憶に新しい。その後も死亡事例は相次ぐ。

このため、コース外に出る利用者には登山届の提出などのルールを設けているスキー場が多い。しかし、なかなか守られず、下高井郡野沢温泉村は抑止効果を狙い、コース外に入って遭難した場合の救助費用は利用者が弁償すると規定した条例制定に行き着いた。

3人が遭難したスキー場もコース外へのゲートに係員を置き、登山届提出の有無を確認し、技術や経験を聞き取っていた。3人は「届は提出した」とうそを言ってコース外に出ていた。新潟県警によると、寝袋や飲料水がなく装備も不十分だった。

人の手が入ったスキー場のコースを出れば、そこは自然の脅威がむきだしになった世界だ。沢もあれば崖もある。そうした地形が新雪に覆われて分かりにくい。甘い判断に陥るわなだ。

沢にはまれば、はい上がるのは至難の業だ。崖からは雪崩が起きる可能性がある。救助する側も命懸けになる。

地形や雪質、天候への備えを知り抜いた人でも遭難することがあるのが雪山だ。ましてやルールさえ守れないような人が立ち入る領域ではない。

(※写真はイメージ:outsideways.comより)

信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20150107/KT150106ETI090008000.php

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