蔵王温泉スキー場の100万人ゲレンデ(上山市永野)で14日、鶴岡市内の小学6年の男児(12)が、
後ろからスキーで滑走してきた男に当て逃げされ、左足骨折の大けがをした過失傷害事件で、
上山署は15日、聞き込みを行うなど、目撃情報の収集にあたり、逃げた男の追跡に全力を挙げた。

同スキー場では去年2月、スノーボーダーが園児に激突し、脳挫傷の大けがをさせて逃走する事件があった。
自らの過失で子どもに大けがをさせながら逃げ去る大人たちの相次ぐ蛮行に、
蔵王スキーパトロール隊の五十嵐健一隊長(53)は
「救護するのが当たり前のことなのに…。憤慨せざるを得ない。モラルを守ってほしい」と訴えている。

パトロール隊は、スキー客ら利用者の安全確保のため、事故を未然に防ぐパトロール活動や、
事故の際の救助活動を、蔵王スキー場のすべてのゲレンデで行っている。

ここ数年、1シーズンの出動回数は1000件程度で推移しているが、
今回のようなモラルを欠いた事件には、隊員たちも胸を痛めている。
14日は、通報を受けて約2分後には現場に到着したが、子どもにけがをさせた男の姿は既になかったという。

隊員として32年間、利用者の安全を守り続けてきた五十嵐隊長は、
「救護するのが当たり前なのに逃げるとは、一般常識では考えられない。ましてや子どもにけがをさせたのに」と顔を曇らせる。
目撃情報から、逃走した男は50―60歳代といい、十分に常識を持ち合わせているはずの年齢という点も、無念さに拍車を掛ける。

五十嵐隊長は、スキーやスノーボードが危険と背中合わせのスポーツだと強調しながら、
「後ろから滑っていく人が前の人に注意を払うのは基本中の基本。
楽しみが大きくなるほど危険も大きくなることを十分、認識し、安全を確保してほしい」と話した。

逃走した男は、赤とグレーの交じったウエアに黒の帽子をかぶっていたという。
上山署は、過失傷害の疑いで男の行方を追っている。