headphone

数週間ほど前、英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン」に発表された論文に目を止めた。

それによれば、「パークを滑っているスノーボーダーで、ヘッドホンを付けて音楽を聞いている人の方が聞いていない人より怪我の確率が低い。」というものだった。

これはなかなか興味深い内容だ。

スカルキャンディを付けて滑れば神がかって、ヤバそうなキッカーに突っ込んで行っても最初のトライでトリプルコークをかますことが出来てしまうという事なのか?

これは因果関係と相関関係を取り間違えてるとおかしなことになってしまう案件だ。

この知見の対象はおそらく、友人達と初めてのスロープスタイルのトレーニングをしているような人たちではなく、自分のお気に入りの音楽を聞いてパークに入っているのはより経験のあるライダーってことではないだろうか。

もっと掘り下げれば、50%以上の音楽リスナーが怪我を回避している一方で、ヘッドフォン着用者が負傷して病院に搬送される「回数が有意に多い」ということだ。

ようするに「ヘッドホン使用者(ベテランライダー)はケガをする確率は少ないが、パーク内のアイテムを危険度高いトリックで攻めるため、一旦ケガをすると大ケガで病院搬送される確率が高い」ということだ。

決してヘッドホンで音楽を聞いているからケガの確率が上がるとか下がるとかそういった因果関係と相関関係では無いと思えるのだが。

あなたは滑っているときにヘッドフォンをしていますか?この内容にどう思います?

ここに論文も掲載しておきます。

論文(ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン)

背景

一部のスノーボーダーは個人の音楽プレーヤーで音楽を聞きます。この調査の目的は音楽を聞く事がパークでの怪我にどう影響しているかというもの。

方法

調査は2008-2009年と2009-2010年に冬のシーズン、カナダのアルバータにあるパークで行われました。対象はパークで怪我をしてスキーパトロールに救助、または近くの病院に救急搬送されたスノーボーダーです。

統計と怪我時の特徴などはスキーパトロール事故報告書と病院に電話インタビューにて集められました。

同じパークを使っているランダムに選んだ日時で怪我をしていないスノーボーダーにも調査をした。

調査結果は音楽を聞くことはスノーボードの怪我との確率に関係しているというものだった。

全体的な結果

333件の怪我と1261件の無傷のレポートが集まった。その内怪我をした69件(21%)の症例と、無傷の425件(34%)は音楽を聞いていた。

ヘッドフォンで音楽を聞いていたスノーボーダーは聞いていなかったスノーボーダーよりもスキーパトロールではなく救急病院に搬送される確率がかなり高いことが分かりました。(調整オッズ比2.09; 95%信頼区間 1.07 〜4.05)。

結論

テレインパークで音楽を聞くことで負傷回数は減少するが、結果としてED(救急救命室)に搬送されるような負傷回数が増加する。