白銀ジャックタイトル

テレビ朝日で8月2日午後9時から放送される「白銀ジャック」。スキー場そのものがハイジャックされるという、東野(ひがしの)圭吾さんの同名ベストセラー小説を初めて映像化したミステリードラマだ。
姿を見せない犯人と対峙(たいじ)する主役のゲレンデ統括マネジャーとして、渡辺謙が見せるスキーの腕前も見どころ。それにしても真夏のうだる暑さの中、どうしてスキーのドラマなのか。

原作者の東野さんは、年に三十日もゲレンデに入るスキーファン。藤田明二監督は大学スキー部出身、新潟出身の渡辺は父親がスキー学校を経営していた。監督は「雪とゲレンデを愛する人が書き、演出し、演じた」。渡辺は「セミが鳴く夏の中で楽しめる、スカッとした清涼感のあるドラマになった」と自信を見せる。

撮影は三月、厳寒の岩手・安比(あっぴ)高原スキー場で行われた。最低気温氷点下一七度という中で、スキーやスノーボードによる雪上チェイスなどを撮影。監督は渡辺の腕前を「スキーヤーが俳優をやっている。スキーにリアリティーがある」と激賞した。

真夏の放送になったのは制作スケジュールの都合もあるが、真夏には涼しげで楽しい映像で、スキー人気につなげたいという制作側や俳優陣の思いがある。長野県の統計によると、レジャーの多様化などを背景に、スキー場と利用者数は二〇〇六年以降は急速に減少している。渡辺は「ここまでスキーを映し出したドラマはない。楽しいと思ってもらえるはず」と話している。

◆主演の渡辺謙 小型カメラで自分撮り 雪への愛で楽しく演技

「雪を愛し、スキーを愛する。その一点で演じきった」という、主演の渡辺謙に聞いた。

 −原作の印象は。

「おいおい、これ(俺以外に)誰がやるんだよ」と思った。犯人とパトロール隊員によるスキー、スノボによるものすごいチェイスなど、(相当な腕前でないとできない)アクションシーンが多かったからだ。

 −過酷な撮影だったが。

吹雪もあったが、雨になる日もあって、雪がなくなる恐怖の方が多かった。自分は子ども時代から「スキーなんて当たり前」という感覚だったが、これほど楽しい撮影はあまりない。エンドロールで流れる場面だが、とてもいい雪が降り、朝イチで圧雪。日の出前後に五キロくらいのコースを一人で一気に滑らせてもらった。あまりの気持ちよさに、大声で叫んでいた。

−迫力とスピード感ある映像に挑戦したというが。

先端に小型カメラを付けたスティックを持ち、自分の滑りや表情を撮影した。撮影はソチ冬季五輪の後。五輪の高度な撮影技術で視聴者は目が肥えている。レベルの高い映像にしないと大変だ、と思った。

−スキー場活性化への思いは強い。

スタントチームに長野・野沢温泉の旅館の息子たちがいて、撮影の合間には客の減少に悩むスキー場活性化策などを語り合った。今回のドラマが彼らの助けになったらいいな。

(東京新聞)

テレ朝「白銀ジャック」
http://www.tv-asahi.co.jp/hakugin-jack/