利用客の減少が止まらず、昨季、ピーク時の半数まで落ち込んだ県内スキー場が、
今季はあの手この手の誘客策を打ち出して巻き返しを図ろうとしている。

大手通信会社と提携、この会社の携帯電話を見せればリフト料金を割り引いたり、
スキー学校の指導者がスキー技術だけでなく自然散策ツアーのガイド役を務めたり。
知名度の高い老舗ゲレンデも共通チケットでスクラムを組む。
若者からファミリー、中高年までターゲットを絞ったサービスで、苦境の打開を模索している。

白馬地区と県南西部の十一スキー場はそれぞれ、今季から通信大手KDDIのau中部支社(名古屋市)と提携した割引サービスを始めた。
auの携帯電話をリフト券売り場で見せて名前と電話番号を用紙に記入すれば、リフトやレストランの食事の割引を受けられる。
スキー場によっては最大千五百円割り引かれる。

通信会社としても販売促進につながり、スキー場側も若者を引き寄せられるというお互いのメリットが一致した結果だ。

志賀高原観光協会(下高井郡山ノ内町)は二十日から、スキー学校の指導者たちが客と複数のスキー場を巡り、
スキーをしながら周囲の山々や動植物などを解説する「ツアーアテンダー」を始めた。
既に家族連れや中高年夫婦、三十代のカップルなど十四人の参加があり、「中高年が多いと予想していたが、年齢層は広い」。
自然志向の高まりを背景に誘客策の目玉にしていきたい考えだ。

同高原や白馬八方尾根(白馬村)、野沢温泉(下高井郡野沢温泉村)など、県内外の草分け的な六スキー場も提携し、
十日間使える共通リフト券(三万七千円)を発売した。
六スキー場で計六千枚を限定発売。
八方尾根では「既に百枚売れた。出足は好調で、一月中旬には完売したい」(スキー場関係者)。
各地の有名ゲレンデを楽しむ熱心なスキーヤーの心をつかみ始めたようだ。

イベントも華やか。
サンアルピナ鹿島槍スキー場(大町市)は二十九日まで鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)のペンギン五羽がゲレンデをよちよち歩きしてPR。
家族連れを集めている。

県観光課のまとめだと、県内スキー場の利用者数は昨年度千七十八万人。
ピークだった九二年度のほぼ半分だ。
スキー場関係者は「かつてのような入り込みは期待できないが、知恵を絞って少しでも活力を取り戻したい」と話している。
(信濃毎日新聞より)