松尾村の八幡平・恵比須沢で23日発生した雪崩で1人が犠牲になった事故で、スノーボーダーらによるスキー場ゲレンデ外での滑走の危険性があらためて指摘されている。山岳救助関係者は、ゲレンデの外は天候や地形によって常に雪崩発生の可能性があると強調するが、新雪の感触を求めて斜面に繰り出すボーダーは後を絶たず、抜本的な対策は難しい状況だ。

 北上市の夏油高原スキー場は1昨年、禁止区域をスノーボードで滑っていた男性が崩れた雪に押し流され立ち木に衝突、重傷を負った。以来、コース外に出ないよう1日に何度も放送したり、監視を強化している。

 須藤利貞社長は「何度呼び掛けても禁止区域に出る人はなくならない。ロープを張る方法を考えたが、今度はロープにぶつかる事故が心配される」と頭を痛める。

 今回の雪崩発生現場に近い八幡平スキー場もゲレンデ外滑走禁止の看板を設置している。工藤幹夫常務は「樹氷ツアーなどそれなりの装備と心構えで入山する人もいる。滑る人の判断にかかる部分が大きく、全部を規制するのは不可能だ」と対策の難しさを吐露する。

 スノーボード愛好者によると、ゲレンデ外で滑走するのはスリルを味わうとともに、圧雪していない場所での独特の浮遊感が魅力という。

 今回の雪崩発生場所は危険区域として知られていた。圧雪の上に積もった不安定な新雪が滑り落ちた厳冬期に多い表層雪崩とみられる。八幡平スキー場パトロール本部の松草忠一隊長は「現場に入った際の振動や音が雪崩を引き起こした可能性も考えられる」と語る。

 八幡平遭難対策委員会山岳救助隊の高橋時夫隊長は「八幡平は平たん部分が多いといわれるが、地形や天候によって雪崩が起こりうることを念頭に置くべきだ。固定観念を持たず、雪質や気象条件を考慮して入山してほしい」と求める。