雫石町の岩手高原ペンション村の女性オーナー4人が29日、岩手高原スノーパーク(旧岩手高原スキー場)でレストランを始めた。岩手山の火山活動のあおりで閉鎖し、7年ぶりに営業を始めたばかりのスキー場だ。間近にあるペンションにとっても待ちに待った再開だけに、スキー場を盛り上げようと張り切っている。

ペンションの女性オーナーが29日開店した「ラウンジ柊」内で写真を紹介する元マタギの平野幸充さん=岩手高原スノーパーク

  スキー場センターハウスの3階にある「ラウンジ柊(ひいらぎ)」。ペンションの女性オーナーで陶芸仲間の4人が、20人〜30人が座れる店を切り盛りしている。地元密着でいきたいというスキー場から声をかけられ、引き受けた。

  2人が料理を作り、2人がそれを運ぶ。ペンションで食事を作っている腕前をいかして、ハンバーグやチーズケーキ、クッキーなどのメニューがある。

  3月末までの毎週土曜日と日曜日の午前11時半〜午後2時に営業する。ペンション「さんりんしゃ」の三輪敬子さん(52)は「二足のわらじは忙しいけど、何かをしたいと思って始めた」と話す。

  79年、敬子さんの夫亨さん(58)は脱サラしてペンションを開いた。

  98年、岩手山の火山活動が活発になり、地震の風評もあって客足は遠のいた。さらに岩手高原スキー場が営業中止になった。少し離れた所に別のスキー場はあるが、最寄りのスキー場の閉鎖は痛かった。スキーの宿泊客は「3分の1に激減し、土曜でも予約がない日もあった」と三輪さんは話す。

  18軒あった村のペンションは12軒に減った。収入も落ち込み、トラック運転手やボイラーマンとして働く人も出た。ペンション村のみんなはスキー場の再開は半ばあきらめていた。

  ホテルの格安スキーパックとの競合で宿泊単価も落ちた。しかし、夏場に小岩井農場に家族客が来るので、何とか持ちこたえた。

  待望のスキー場の再開から1カ月半たち、これまでに3万人のスキー客が訪れた。「上向きの兆しが出てきた」と亨さんはペンションの客足にも手応えを感じている。

  敬子さんは開店初日のこの日、昼は柊、夜は自分のペンションと大忙しの1日だった。「設備に不慣れでてんてこまいだったけど、充実した気分です」と話した。

  店内では2月中旬まで、亨さんの知人である雫石町の元マタギ平野幸充さん(69)の写真展も開かれている。店の営業は、3連休でペンションのかき入れ時となる12、13日は臨時休業する。