国立環境研究所は、地球温暖化が原因とみられる環境や生態系への影響について発表した。国内で報告された文献をまとめたもので、1901年から00年までの100年間で平均気温が約1度上がり、都市部では東京が約2.9度上昇、海水位は70年から年平均2ミリずつ上昇するなど、日本でも影響が表れているとしている。

 自然への影響では、北海道の高山植物が減少する一方、ソメイヨシノの平均開花日は89〜00年の平均が71〜00年と比べて3.2日早まった。九州と四国南部が北限だったナガサキアゲハは00年以降、関東地方でも確認されるようになった。

 温暖化が進むと昨年夏に起きたような局地的・記録的な豪雨や熱帯夜が増えるとされており、近年の異常気象に温暖化の影響が出ている可能性もあるとしている。

 将来予想では、71〜00年と2071〜2100年の30年間を比較すると、地球の平均気温は4度上昇し、日本の夏の平均気温は4.2度上がるとしている。降雨量は19%増加、真夏日も70日増える。気温が1度上昇するとO(オー)157など病原性大腸菌による食中毒の発症リスクが4.6%上昇するとしている。

 温暖化で、北海道アポイ岳の高山植物ヒダカソウは30年後に絶滅し、寒冷帯林のブナ林の生息域は大幅に減少。スキーなどウインタースポーツ産業にも影響が出ると予測している。