雫石町の岩手高原スノーパーク(西方博支配人)は、7シーズンぶりの開業から1カ月半が経過し、休日を中心にスキー客でにぎわっている。開業までの準備不足、昨年末の雪不足などが響き、集客にはやや苦戦しているが、施設内に地元業者が屋台を設営するなど地域と連携した取り組みを積極的に展開。地域に親しまれるスキー場を目指し、試行錯誤が続く。

【写真=スキー客らでにぎわう岩手高原スノーパーク。地域との連携を強め、再興を目指している】

 岩手高原スノーパークは、昨年12月18日にオープン。今年1月31日までに延べ3万人強が来場した。1日の最大集客は約2500人(1月9日)に上る。

 来場者の反応も上々だ。友人と訪れた盛岡市館向町の学生高橋和則さん(21)は「ゲレンデが変化に富んで楽しいスキー場。何回も来たくなる」と笑顔をのぞかせる。

 前身の岩手高原スキー場は、1993年シーズンには年間延べ約30万6000人の来場者があった。スノーパークは、当初の入場目標を全盛期の半分以下となる12万7000人に設定。しかし、昨年12月は雪不足で開業が1日遅れ、スキー客の出足にも影響が出た。

 同スキー場を運営する鈴木総本社(本社東京都、鈴木一正社長)が営業再開を発表したのは昨年9月。短期間での準備を余儀なくされ、修学旅行や大型各種大会の誘致活動が満足にできなかった。

 県内のスキー場は、長引く不況やレジャーの多様化などで、近年の入場者は減少傾向。同町の雫石スキー場、網張温泉スキー場も1月末までの入場者数はいずれも前年を下回っている。

 厳しい環境の中、岩手高原スノーパークは地域との連携に力を入れ、活路を探る。

 スキーセンター内には町内の業者が屋台を設営。多いときは6店舗で1日50万円弱の売り上げがある。手作りのピザを販売している「山ぶどう」店主の石亀一男さん(57)は「スキー場と一緒に地域を盛り上げていければ」と願いを込める。

 1月29日にはセンター内に、ラウンジ柊(ひいらぎ)がオープン。町内のペンションの女性有志が運営し、手作りの料理やケーキなどを提供している。ラウンジ内では地域住民の写真展も開かれている。

 町内6つの宿泊施設などとも連携し、入浴スタンプカードも発券。各施設の温泉に入るたびに押印されるスタンプを集めると、1日リフト券と交換できる仕組みだ。

 西方支配人は「スキー以外でも、地域住民が足を運びたくなる施設を目指している。地域との連携を進めていきたい」と既存の概念にとらわれない運営を目指す。