「迷惑かけて申し訳ない」−。山スキーに出掛けた前武尊山(二、〇三九メートル)で行方不明になり、六日ぶりに救助された神奈川県藤沢市の島田梯さん(30)。

気力、体力、手持ちの装備をうまく使ったことで生還につながったようだ。この冬、同山では遭難が多発。県山岳連盟などは「事前に地形など自然の研究を」と注意を呼び掛けている。

搬送先の利根中央病院関係者らによると、島田さんは足先に軽度の凍傷を負ったが、元気で会話は明りょう。寒さや食料がなかったことを考えると「(生還は)奇跡に近い」という。

島田さんは一日午後五時ごろ、仲間三人とはぐれた。雪が強く視界が悪かったため、ショベルで掘った雪洞にリュックを敷き、横になった。食料はなく、ペットボトルで雪を溶かして飲んだ。

二日に携帯電話で警察と連絡が取れ、「絶対生きて家族と会うことだけを考えた」という。天候が回復した七日移動し、午前九時十五分ごろ、県警ヘリが山頂から約五百メートル付近で島田さんを救助した。

ヘリの萩原秀人航空指導官らに、島田さんは「ありがとうございました」と感謝し、差し出されたチョコレートを一気に食べたという。