5月下旬、ジップラインを楽しむ桜井高校の1年生立山山麓スキー場らいちょうバレーエリア(富山市本宮・大山)の大型遊具「ジップラインアドベンチャー立山」の利用者が、5月に開業から4シーズン目で2万人に達した。

初年度の約5千人から年々利用者は増え、運営する大山観光開発(坂井保樹社長)は、立山連峰を一望できる絶好のロケーションや、コース増設など魅力アップに努めていることが誘客につながっているとみる。
孫やひ孫との利用で各種施設の利用が無料になる富山市の制度も後押しし、年配者も増加傾向だ。同社は今後もグリーンシーズンの集客の核として期待している。 

ジップラインは、木々の間に張り巡らされたワイヤを、体につなげた滑車で滑降する遊具で、緑豊かな自然を肌で感じることができる。立山山麓スキー場を運営する大山観光開発が、市の補助を受けて2011年7月に整備。毎年4月下旬から11月上旬に営業している。ことし5月11日に利用者が2万人を超えた。

全国的にスキー客が伸び悩む中、冬季以外の誘客手段として、同様の施設整備は約5年前から全国のスキー場で広がり始め、現在は約10施設ある。全国で3番目、北陸で初めて開設された立山山麓のジップラインは、全国主要6施設の中で年間利用者数が「びわ湖バレイ」(滋賀県)に次いで2位となっている。

人気の理由として同社は、びわ湖バレイと同様にゴンドラで高所まで移動し、絶景を眺めながら滑降できることを挙げる。県外のテレビ番組に取り上げられることもあり、石川県や関東、東海方面から訪れる人も多い。

よりスリルが味わえ、グループで楽しめるコースが必要とし、オープン当初は6コースだったが、昨年度は深い谷の上を通過する「チャレンジライン」と、隣り合うコースとの併走が楽しめる「日本海ペアライン」を増設。子どもから大人まで幅広い世代に対応した全8コースになった。

市は12年度から孫やひ孫と訪れると料金が無料になる「孫とおでかけ支援事業」を市科学博物館などを対象に実施しており、同施設も昨年4月から対象に加わった。無料となった利用者の料金は市から支払われる。

当初は「孫とおでかけ」の利用率を全体の10%前後と予想していたが、昨年度は年間利用者7388人のうち、14・6%の1085人が利用。50歳以上も12年度に比べて、60%増え約750人だった。ことし5月に小学生の孫と利用した男性は「思った以上に怖くなく、子どもと気軽に楽しめた」と話した。

満席になることがある休日に比べて、平日の利用率がまだ低いことが課題。同社は利用拡大に向けて、旅行会社や学校関係者を通じて修学旅行の誘致や野外活動での活用を働き掛けている。5月23日には、昨年に続いて桜井高校の1年生が訪れた。入学して間もない生徒の交流を図ろうと、遠足の行程に取り入れており、土木科の40人が体験した。

本年度の目標利用者数は8千人。坂井社長は「三世代で訪れるファミリー層が増えている。ジップラインを家族の絆を深めるきっかけにしてほしい」と話している。

(北日本新聞社)