立体作品などで構成される「フィールド・キャラバン計画」の展示群馬を拠点に活動してきた美術家の個展「白川昌生よしお ダダ、ダダ、ダ」が、地元・前橋市のアーツ前橋で開かれている。

美術史や政治経済とのかかわりに触れる作品や鋭い評論で知られるが、45点を集めた本展は、地域に根ざして制作する意義を問う内容になっている。
現在66歳の白川さんは北九州市出身。独・仏留学を経て、1983年以来、教職を得た群馬県内に住み、制作を続ける。

「フィールド・キャラバン計画」は、スキー場の多い地ならではの作品。スノーボーダーへのインタビューや自らスノボを体験する映像と、鉄製の円環にスノーボード79枚を取り付けた立体で、スノボ文化を再構成してみせる。

「駅家うまやの木馬」は住民参加型のプロジェクト。前橋に関する虚実ない交ぜの物語を創作し、20世紀の前衛芸術運動「ダダ」の起源になったとする木馬祭りをでっちあげた。その祭りを住民と実際に行うことで、地域の歴史を共有し、世界とのつながりを意識させる。会場には祭りの映像と木馬などが展示されている。

ほかに、群馬の無人駅でカップ麺を食べる写真などで構成する「無人駅での行為(群馬と食)」なども。

全国各地で芸術祭が開かれ、美術家が地方に滞在して制作する機会が増えた現在、白川さんは「地域に根ざし、住民を巻き込んで作っているか」と問い、自身の覚悟を示している。6月15日まで。
(読売新聞)