みんな15歳で活躍/(C)日刊ゲンダイ単なる偶然なのか。
高校1年生、勝みなみ(15)が女子プロゴルフ史上最年少で優勝。スポーツマスコミは大騒ぎしたが、近年は15歳で大きく花開くアスリートが多い。

2月のソチ五輪スノーボード・ハーフパイプで銀メダルをとった平野歩夢、女子ジャンプワールドカップ(W杯)で2季連続個人総合優勝の高梨沙羅もW杯初優勝(山形・蔵王)は15歳だった。
女子フィギュアの浅田真央が初出場のグランプリファイナルで優勝したのもそう。直後のトリノ五輪は年齢制限で出場できなかったことは記憶に新しい。そういえば、石川遼が史上最年少でツアー初優勝を飾ったのも15の時だった。なぜこれらの選手は、15歳という年齢で世間をあっと言わせるような成績を出せたのか。

■失うものなし

石川遼のツアー初優勝に尽力し、数多くのジュニアゴルファーを見てきた吉岡徹治氏(代々木高ゴルフ部監督)は「この年齢は怖さ知らずですから」と言ってこう続ける。

「ゴルフに限れば、レベルが上がるほどパッティングの重要性が高まる。高校生は感性が鋭く、失うものがないので難しいパットも迷うことなくポンポン打てるし、よく入る。いろいろな試合に出場し、自分より凄い選手と戦ったり、プロになって賞金がかかってくると堅いゴルフになっていく。石川遼も例外ではありません。誤解を恐れずにいえば、ジュニアゴルファーは遊びでやっている強みがあるのです」

確かに多くのプロゴルファーに聞くと、「学生の頃はラインを消せるぐらい強いパットが打てた」という。

勝みなみの最終日、18番のパーパットだって、初優勝がかかっているプロなら、あんなに簡単に、しかも強くヒットできないだろう。17番のティーショットは、おにぎりを頬張りながら打っていた。アマチュアだから許されることだし、アマなら大きなミスをしても罵声を浴びることはない。

プロのトーナメントに出場するようになれば、たった1打で優勝を逃すこともあるし、賞金だって数百万円も違う。若い頃は難なく打てていたパットで手が動かなくなり、イップスに苦しむものも出てくる。

■神経と肉体が一致

だが、気持ちの面や背負うものがないというだけでは「15歳開花説」の説得力には乏しい。

アスリートの身体に詳しい平山昌弘氏(フィジカルディレクター)は、「15歳という年齢はカラダが大きく変化する」と言う。

「成長期の身体の特性を説明するとき、『スキャモンの発達・発育曲線』という有名なグラフをよく使います。これは20歳のレベルを100(%)として、リンパ、神経、一般(身長、体重など)、生殖器の発育が20歳までにどう変化するかがわかる。神経系は5、6歳で8割がた発達し、12歳ぐらいでほとんど完成される。完成された神経経路はほとんど消えることはない。だから自転車に乗れる人は、数年間乗らなくても転倒することがない。それに比べて一般の部類に入る、骨や筋肉の発達は遅い。それが14、15歳から神経の発達に追いつくかのように成長スピードが急激に増すのです」

15歳といえば高校1年だ。知能も発達し、自分の能力や試合のことを分析するなど、客観的視野も広がってくる。

「それもあるでしょう。ゴルフにしろ、フィギュアにしろ、ジャンプにしろ、小さな頃から専門技術を学んでいれば、神経、筋肉が活性化される15歳の頃に成人と同じようなパフォーマンスができたとしても驚くことではない。生理的にはまったく不思議ではないのです。特に女子です。プロを負かした勝みなみは15歳でもプロよりドライバーが飛んでいた。平均飛距離は250ヤードと聞きました。女子は男子より早熟で、15歳でも成人と体力差はほとんどない。女子の15歳は男子の15歳よりも成人選手に勝つ可能性は、はるかに高い。ただし、大人になっても、順調に伸びていくかは別の問題です」(前出の平山氏)

恐るべき15歳は、今後も続々と現れるかもしれない。

(日刊ゲンダイ)