フリースタイルスキー女子モーグルの第一人者で現役引退を表明した上村愛子さん(34)に、阿部守一知事は28日、スポーツ特別栄誉賞を授与し、1998年の長野からソチまで五輪5大会連続入賞を果たした功績をたたえた。

表彰状を贈られた上村さんは「特別栄誉賞は今まで、メダリストでものすごい成績を出している方しか取っていない賞なので、そんな方と並ぶような賞をいただけて、本当にすごく幸せ、光栄です」と満面の“愛子スマイル”で喜びを語った。
◆五輪5大会連続入賞

スポーツ特別栄誉賞は、五輪の金メダルなど顕著な成績を残した県関係選手に贈られる。今回は、上村さんのほかにパラリンピックのアルペンスキー男子座位スーパー大回転で2大会連続金メダル、滑降で金メダルを獲得した狩野亮選手(28)=マルハン=への授与も決まっている。

過去には、アルベールビルとリレハンメルで五輪2連覇を達成したノルディックスキー複合の河野孝典、荻原健司両氏、長野とトリノパラリンピックで2冠に輝いたバイアスロンの小林深雪さんが受賞している。

県庁で行われた表彰式で、阿部知事から「長い間、ご苦労さまでした」というねぎらいの言葉とともに表彰状、記念品が贈られた上村さんは、「メダルに本当にあと少しだったなぁと感じている」と心境を吐露。ソチ五輪での競技を振り返り、「これまでやってきたことすべてが出せたという気持ちが、ゴールした瞬間にあふれて、ゴーグルの中で勝手に涙が出てきた。そういう気持ちになれる滑りがようやくオリンピックで達成することができた」と振り返った。

◆県民の応援に感謝

そのうえで、上村さんは「本当に長く支え、声援してくださった皆さんと、最後まで全力でできたことをすごく誇りに感じていて、皆さんに感謝してオリンピックを終わることができました」と県民の応援に謝意を表明。前日に地元・白馬村で行われた全日本選手権で優勝し、有終の美を飾れたことにも触れ、「最後まで本当に気持ちのいい滑りができた。オリンピックという大きな目標を4年に1度ずつ、持ちながらやってこられたので、本当に幸せな選手生活だった」と語った。

今後の活動については、報道陣の取材に対して「まだ固まっていない」としながらも、後進の指導やスキーの世界大会を県内に誘致することなどに意欲を示した。

また、表彰式では、ソチ五輪に出場したスキー、ボブスレー・スケルトンの選手に、スポーツ栄誉賞が授与された。ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した渡部暁斗選手(25)と、同複合団体で5位入賞を果たした弟の善斗選手(22)には知事表彰も贈られた。

渡部暁斗選手は「自分に大きなプレッシャーをかけて臨んだので、メダルが取れてホッとしている。ただ、満足できるレベルではないから、自分が何ができて、どこまで強くなれるかを追求しながら、一日一日を精進していきたい」と力強く話した。

スポーツ栄誉賞を受賞した14選手は次の通り。(敬称略)

【スキー】ノルディック複合=渡部暁斗(北野建設)、渡部善斗(早稲田大)▽ジャンプ=竹内択(北野建設)、山田優梨菜(白馬高校)▽クロスカントリー=恩田祐一(アークコミュニケーションズ)、成瀬野生(白馬村スキークラブ)、レンティング陽(TEAM AKIRA)▽フリースタイル=伊藤みき(北野建設)、西伸幸(白馬村スキークラブ)、三星マナミ(野沢温泉スキークラブ)▽スノーボード=藤森由香(チームアルビレックス新潟)

【ボブスレー・スケルトン】ボブスレー=鈴木寛(北野建設)▽スケルトン=笹原友希(システックス)、高橋弘篤(同)

(産経新聞)