売れ行きが伸び悩む除雪用品=坂井市のPLANT−2坂井店で気温は低いが、雪は少ない−。県内の多くの地域で、雪かきに追われることもないまま、冬のピークが駆け足で過ぎていった。

北陸地方らしからぬ日照時間の長い冬は、スキー場やゴルフ場の客足増に貢献。一方、「今冬は雪が多い」との気象台の当初予報が外れ、除雪用品の売れ行きは伸び悩んだ。例年とは違う「冬の足跡」をたどってみた。
「気圧配置による風向きが例年と異なり、雪が少なくなった」。福井地方気象台によると、一月から二月中旬にかけての降雪量は、県内各観測地点で平年並みか平年より少なかった。坂井市三国、福井市越廼、勝山市、大野市で、一月としては観測史上最長の日照時間を記録。同気象台は、その要因を風向きの微妙なずれだったと説明する。

この“ずれ”が、ゴルフ場には好影響をもたらした。あわら市柿原の福井国際カントリークラブは、例年冬期は営業できない日が続くが、今期はこれまでに十五日ほど休んだだけ。担当者は「客足は上々。冬にこれほど利用者があったのは、初めてではないか」と、思わぬ好調ににんまり。

少雪ながらもゲレンデには十分な雪を確保できた奥越のスキー場では、道路の積雪が少なかったことや好天に恵まれたことが、大きな追い風となった。

西日本最大級のスキージャム勝山(勝山市)の昨年十二月から今年二月までの入り込みは、十九万五千六十一人。近年にない盛況だった昨シーズンの同期を四千五百人以上も上回った。担当者は、好天により、北陸自動車道のチェーン規制がほとんどなかったことも一因と分析する。

一方、当初の「例年より積雪が多い」との予報を当て込んでいたホームセンターでは、雪かき用のスコップやスノーダンプ、融雪ホースなどの除雪用品の売れ行きが不調。全国で店舗展開するPLANTが運営するPLANT−2坂井店(坂井市境町下新庄)の担当者は「例年に比べ、動きがおとなしかった」と振り返る。

同店では、少雪の影響は思わぬ効果も。園芸用品の売れ行きは早くも好調で、一月から花の苗や種ジャガイモなども売れ始めている。除雪用品は売り場の一番目立つコーナーにそろえてあったが、例年より二十日前倒しで、園芸資材などの「春商材」に場所を譲り渡すことになった。

冬が駆け足で通り過ぎていく中、県民は早くも春を迎える準備を進めているようだ。

◆除雪車も出番減る

県道路保全課によると、県が運用する除雪車と凍結防止剤散布車の二〇一三年度の出動日数は二月二十七日現在、八十七日で、前年同期より七日少なくなった。

同課によると、最近五年間では平均的な数字だが、除雪車に限っては出動は減ったとみている。同課担当者は「寒い日が多かったため、凍結防止剤散布車の出動が増えたようだ」としている。

車両は、県所有と借り上げの民間車両を合わせて六百十二台。このうち、一台でも稼働すれば出動日数に計上される。出動台数は未集計だが、一二年度に比べて、日数の差以上に出動台数は少ない可能性があるという。

除雪費用は一三年度当初予算で盛り込んだ十七億円で収まる見通し。同課は補正予算の計上は見送っている。
(中日新聞)