日本にスノーボード初のメダルをもたらした男子ハープパイプ(HP)2位の平野歩夢(15=バートン)と3位の平岡卓(18=フッド)が快挙から1日たった12日夜、五輪公園内の聖火台がある広場でメダル授与式に出席した。

2人はメダルを手にはにかんだが、どうにも不思議なのはあまり喜んでいないように見えること。いったい、なんで?
熱戦から一夜明けた12日、平野と平岡はまず五輪村のジャパンハウスで記者会見を行った。

メダルが決まった瞬間も感情を爆発させるような姿が見られなかった2人はこの日の会見でも淡々とコメント。「昨夜は寝られた?」という問いかけに「ほとんど寝てません。興奮して? いや、時間がなかったんで」(平野)。マイクを通しても、聞き取りづらいほどの小さな声で話した。

さらにこの日の夜にはメダルセレモニーに参加。冬季五輪の日本勢で最年少のメダリストとなった平野は、首に銀メダルをかけてもらうとはにかんで笑うだけ。「これまで取ったメダルより重くて五輪は違うと感じた。今までの積み重ねがメダルになったと思う」とこれまで通りだった。

平岡は手を振って歓声に応えたが「つらかったことやプレッシャーもあったけど、こうしてメダルが取れて良かった。家族や支えてくれた人に感謝の気持ちでいっぱいです」と感情をあらわにすることはなかった。

もちろん、性格的なものもあるだろうが、2人があまり喜んでいないのでは…と感じた人も多いのではないか。これはエクストリーム系種目(派手な要素を持ったアクションスポーツ)ならではの事情による面もあろう。

他の多くの競技では4年に一度の五輪こそが最大のイベントだが、プロである彼らにとっては「Xゲームズ」のような高額賞金大会も同等かそれ以上の価値がある。実際、頂点にいるショーン・ホワイト(27=米国)の年収は8億円とも言われている。

まして、そのなかでトップレベルにいる2人が目指すのは優勝だ。色にかかわらず、五輪のメダル獲得が競技人生のゴールとなっている他の種目とは感覚が違うのは当然ということか。

平野は「小さいころから五輪を目標にやってきた」としつつも、最年少でのメダル獲得について聞かれると「歴史に残るし、自信につながる。(今後の)自分にとっていい経験になったと思う」。五輪も、メダルも通過点、さらなる高みを目指すための糧でしかないようだ。
(東スポweb)