スノーボードハーフパイプ男子決勝1回目、平野のエアの連続合成写真(右から左へ)=ロシア・ソチのロザフータル公園で2014年2月11日、山本晋撮影初の五輪にも、平野歩夢(バートン)は「緊張もなく楽しく滑れた」と悠然としていた。15歳ながらプロの賞金大会を転戦し、大舞台にも動じない度胸を身につけている。

スノーボード界の仕組みは複雑だ。国際統括組織には国際スキー連盟(FIS)や世界スノーボード連盟など複数あり、他にプロ選手の団体などもある。中でも世界最高峰と言われ数万人の観客を集める賞金大会、Xゲームには平野も平岡も出場し、世界トップの勝負を経験してきた。
今大会の決勝に進んだ12人のうち10代の選手が平野、平岡ら5人もいたように、低年齢や小柄でも活躍する選手は多い。高さやスピードに慣れ、技の基本を身につけるには早い年代で始める方が有利。日本代表の上島しのぶヘッドコーチは「20代から競技を始めて高いレベルで取り組むのはほぼ無理」とさえ言う。

若くて有望視された選手は、将来性を見越してスポンサー企業からの支援が得られることも多い。選手は環境の良い海外での練習や大会出場の機会や経費、用具の提供などを得られる。平野のメインスポンサーの「バートン」はスノーボード用具の世界的なトップブランドだ。

新潟出身の平野、奈良出身の平岡とも、父親の協力でスキー場や屋内スノーボード施設に通い、地道な練習を積むことで頭角を現した。平岡は「今はスポンサーのおかげで海外にも行けるが、前はお金も時間もかかって苦労ばかりだった」と振り返る。ハーフパイプの競技人口は国内で500人程度とも言われ、決して多くはない。競技向けの練習をできる場所が極めて少なく、競技人口が増えない原因にもなっている。

一方で、プロには滑りの技術をイベントで披露する道もあり、バンクーバー五輪代表の国母和宏も人気を集める一人。旧来の五輪競技とはひと味違ったスポーツで、日本の若手が存在感を見せている。

◇Xゲーム

米国で人気の総合競技大会で、米国のスポーツ専門テレビ局ESPNが主催し、各国で放送されている。冬はアクロバティックなスキーやスノーボード、夏はモトクロス、スケートボードなど過激な要素を持つ競技(エクストリームスポーツ)を集めて実施される。高額賞金大会として知られ、世界トップクラスの選手たちが集い、独自のスタイルと技を磨いた。昨年1月の冬季Xゲームでは14歳だった平野が2位となり、史上最年少メダリストに輝いている。
(毎日新聞)