ブラジャーの中に紅茶の袋を詰めたり、口ひげを描いたり――重力に逆らうことをものともしない怖いもの知らずのスノーボード選手らが、試合の際に欠かさないという一風変わった「願掛け」の一例だ。

空中にジャンプし「トリプルコーク」や「ヨーローフリップ」といった回転技を決めるには多少、常軌を逸しているくらいの相当の気合を要するはず。しかし、ソチ冬季五輪のスノーボード選手たちは、大技を成功させるために、自分たちの技量や神頼み以上に「魔法」に頼ろうとしているようだ。
最も変わった願掛けをしている1人が、スノーボード女子スロープスタイルの英代表、ジェニー・ジョーンズ(Jenny Jones)選手(33)だ。以前は競技に臨む日には、いつも同じ紅茶の袋を1個、ブラジャーの中に忍ばせていた。「それは昔の話で、最近はしばらくやってないけど、若い時に始めた習慣だった」と笑う。

「ものすごく昔、山小屋の雑用係をしていたとき、山ではティーバッグが手に入ることなんてめったになくて、誰かが英国産のティーバッグを持って来たときに、どうにか1個もらって下着の中にしまっておいたの。その日はすごく良い日になって、他にも新しいおまじないは試したけど、ティーバッグで行こうって決めたの」と明かした。

また、チェコ女子代表のエバ・サムコバー(Eva Samkova)選手は、運気を上げるため顔に口ひげを描く。本人は至って真剣で「これが本当に効くのよ」と主張している。

この他、イタリアの男子代表、レオーニ・トンマーゾ(Leoni Tommaso)選手のラッキーソングは、ボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェイラーズ(Bob Marley and the Wailers)の「スリー・リトル・バーズ(Three Little Birds)」で、スタートラインに立つ時に聞いているという。

スノーボード選手たちだけではない。フリースタイルスキー男子カナダ代表、ミカエル・キングスバリー(Mikael Kingsbury)選手は、必ず着用しているTシャツがある。初めてワールドカップで表彰台に立ったときに着ていたもので「王者になるのは最高」と書かれている。「もしうまく行かなくても、何か魔法めいたものがあるんだ」
(AFP=時事)