スノーボード・ハーフパイプ(HP)には絶対王者が君臨する。ショーン・ホワイト。高難度の空中技を武器に世界最高峰の賞金大会「冬季Xゲーム」で6連覇を達成した27歳の米国人だ。ソチでは五輪3連覇の偉業を視野に入れる。

HPはU字形のコースで斜面を往復しながら滑り、縁から飛び出すジャンプの高さや難度、着地の完成度を競う。ホワイトが前回バンクーバー五輪で決めて喝采を浴びたのは、縦2回転を含む3回転半の「ダブルマックツイスト1260」。そしてすでにその上を行く新技、軸をずらしながら4回転する「ダブルコーク1440」を完成させ、ソチでも金メダルの本命に挙がっている。
そのホワイトを「あの年齢でここまでやるとは」と驚かせたのが日本の新星、平野歩夢(バートン)だ。14歳だった昨年1月のXゲームでホワイトに次ぐ2位に入った。史上最年少のメダリストは「ショーン・ホワイトの滑りは小さい頃にビデオで見ていた。でも今は一緒に戦える」と声を弾ませる。

4歳でスノーボードを始めると父親の指導を受け、すぐ頭角を現した。小学4年で早くもスポンサーが付き海外を転戦。両親が「夢を持って歩いてほしい」と名付けた少年は、順調に腕を磨き、ここ数年で一気に世界のトップで戦えるまでに成長。今季のワールドカップ(W杯)開幕戦(昨年8月、ニュージーランド)では初優勝を果たした。

平野の強みは、自他ともに認める「高さ」。パイプの縁から空中に身を躍らせる姿はホワイトにも引けを取らないと言われる。すでに「次のショーン・ホワイト」との呼び声は高い。

「そう言われても結構困る。プレッシャーを感じるというか。『どんどん前に進まなきゃ』と思ってしまう」

周囲の絶大な評価に戸惑い気味だ。だが、雪上に立てば気後れはない。夏以降、新技の習得にも力を入れてきたという。世界ナンバーワンとの対決は2月11日−。

「もう倒さなきゃというくらいまで来ている」

中学3年生の挑戦者は屈託なくこう言った。
(産経新聞)