スノーボード・ハーフパイプの強化指定選手。(左から)岡田、子出藤、佐藤、平野、青野、平岡名誉挽回なるか?4年前のバンクーバー五輪で国母和宏の“腰パン騒動”に揺れたスノーボード・ハーフパイプ(HP)は、平野歩夢(15)=バートン、平岡卓(18)=フッド=ら若手有力選手をそろえ、メダルの期待がかかる。

バンクーバー以降は、合宿中に有識者による講義や、専属のメンタルコーチから指導を受けるなど、“人間力”の強化にも力を入れてきた。日本を代表するオリンピアンとして、成果を試される舞台がやってくる。
日本五輪史に強烈なインパクトを残した“国母劇場”から4年。ソチ五輪選手団の古川年正副団長が「忘れたいが、忘れてはいけない出来事」と自戒を込めて話すように、一連の騒動の影響は、いまだ関係者の“トラウマ”として色濃く残っている。今回の選手団が掲げるテーマに「人間力なくして、競技力の向上なし」とあるのもその一つだろう。

スノーボードHP代表にとっては、ソチ五輪は名誉挽回の舞台。バンクーバーでの事態を重くみた全日本スキー連盟は、この4年間、同チームの人間力強化に取り組んできた。上島しのぶヘッドコーチ(HC)は「日の丸を背負う自覚をすり込ませてきた。あの騒動があったから、今の土台ができた」と話す。

選手たちが「スタイル」と表現する独特のファッションや文化が根付くスノボの世界。ただ、日本代表という「公人」として目を向けられた場合、その姿は世間の常識から乖離(かいり)している部分がある。必要なのは、TPOを判断できる社会性だ。

これまでの合宿は雪上が多かったが、各競技の日本代表が使用する国立スポーツ科学センターを利用する頻度を増やした。上島HCは「例えばフードのあるものを着ると、すぐにかぶってしまう癖がある。雪の上ではいいけど、社会に出ればそれはダメ。他競技の選手を見たり、そういう部分で社会性を身につけさせた」と、意図を説明する。

合宿中は「勝負脳」の著書で知られる林成之氏ら有識者や、メディア関係者などの講義も開催。現役アナウンサーによるインタビュー講座もあったという。

また、専属のメンタルコーチとして、北京五輪柔道金メダリストの石井慧らを指導した柘植陽一郎氏を招へい。柘植コーチは、合宿中は個人面談、それ以外でもLINEなどを駆使し、選手たちの意識向上を手助けした。柘植氏は「3シーズン目になって言葉も増えてきたし、会話の質が高まってきた」と、手応えを口にする。

メダルの期待はもちろん、競技としてより理解を深めるためにも重要なソチ五輪。平岡、平野は「スノボがもっとポピュラーになるように、メダルを獲ってアピールしたい」と口をそろえる。真価を問われる舞台が、間もなくやってくる。
(デイリースポーツ)