奥州市が民間移譲の方針を決めた「ひめかゆスキー場」(16日、奥州市胆沢区で)奥州市は、市営や指定管理者制度で運営する市内の3スキー場を民間事業者に移譲する方針を決めた。

各スキー場とも経営不振が続いており、市は行財政改革の一環で運営から完全に撤退する。移譲先が見つからない場合、各スキー場を2018年度までに休止する考えだ。

民営化を図るのは、国見平(同市衣川区)、ひめかゆ(同市胆沢区)、越路(こえじ)(同市江刺区)の3スキー場。市が行革を進めるために作成した「事務事業・公の施設見直し」のリストに盛り込まれた。

市商業観光課によると、3スキー場は、同市が合併する前の1979〜98年にオープン。現在、国見平、ひめかゆの両スキー場は市営で、越路スキー場は市の第3セクターを指定管理者に選び、運営されている。
国見平スキー場の2012年度の利用者は8370人。4年連続で増加したが、00年度比では約3割減った。リフト料金などの収入は12年度、約1400万円。10〜12年度の累積赤字は計約2600万円に上った。

ひめかゆスキー場の12年度の利用者は、3スキー場で最も多い1万4610人だったが、10〜12年度の累積赤字は計約3000万円。越路スキー場は11年度に約10万円、12年度に約120万円の黒字だったが、市は10〜12年度、計約4100万円の指定管理料を負担している。

市は、こうした負担が小さくないことから、〈1〉スキー場経営は民間でも可能〈2〉一つの市で3スキー場を抱える必要性が乏しい――などと判断した。移譲の手法としては、売却や無償譲渡が考えられるという。

国見平、ひめかゆ両スキー場については、3年間、指定管理者制度を導入し、民営化が可能かどうかを見極めた上で、移譲を目指す。

市の行革の対象項目は、3スキー場の民間移譲に加え、市民プールや体育館の廃止、内務相を務めた後藤新平、蘭学者(らんがくしゃ)の高野長英、元首相の斎藤実という市出身者の3記念館の統合、温泉施設の民間移譲など計300項目。厳しい行革の背景には、市町村合併に伴う地方交付税の特例措置が、同市では21年度で完全に終わり、31年度には貯金である財政調整基金がほぼ底をつくことが懸念されていることなどがある。
(読売新聞)