昨年2月、ロシアのソチで行われたW杯で初優勝した平岡選手スノーボード・ハーフパイプ(HP)で活躍する御所市在住の平岡卓選手(上宮高校3年、18歳)が、来月7日にロシア・ソチで開幕する冬季オリンピックの同種目日本代表に選ばれることが確実となり、今月中旬にも全日本スキー連盟が発表する見通しだ。雪の少ない県内から冬季五輪を目指す快挙に、地元ファンらの熱い期待が高まっている。

平岡選手は、昨年1月にカナダのストーンハムで行われた世界選手権HP男子決勝で準優勝。同2月にはソチで開かれたスノーボードのワールドカップ(W杯)で90・25点をマークして初優勝を飾った。まだ17歳、W杯7戦目で早くも栄冠を手にするなど、ソチ五輪に向けて実績を積み上げてきた。
平岡選手とスノーボードの出合いは、小学校1年生のとき。家族とスキー場に行き、スキーよりスノーボードに興味を覚えたという。3兄弟で始めたが中でも上達が早く、同2年生のときらは中学生らに交じってJSBA西日本大会ユース15でいきなり優勝した。

父親の賢治さん(55)は、その才能を開花させるために中学3年生までの約8年間、冬季はHPの練習場がある岐阜県のスキー場に2人で通った。

毎週、金曜の夜に車で出掛けて行き、日曜の夜に帰宅するハードなスケジュールだったが、トランポリンを応用して空中感覚を養うなどの工夫も行い、雪のない御所市在住というハンディを克服してきた。

また冬季は全国の大会に転戦。小学校6年生のとき全日本選手権ユース(15歳以下)で初優勝したころからは本人の自覚も高まり、最年少の同6年生でプロデビューを果たした。

ジャンプを練習する平岡卓=米国で中学校に進んでからはナショナルチームジュニアの一員として海外での生活が増えたが、御所中学では野球部に所属し、学業との両立も図ってきた。

HPは、ジャンプの高さ、空中時の回転の難易度などを判定で競う。

身長172センチ、体重65キロと、この種目の選手としては大きい体格の平岡だが、ジャンプの高さが際立つ。その技を「並ではない」(父親の賢治さん)集中力で磨き、「失敗を引きずらない」(同)気持ちの切り替えの早さで世界の強豪と渡り合って来た。

相手との勝負より、自分のスタイルを貫くタイプだという。ソチに向けて新技も試み、この種目での日本初のメダル獲得も現実味を帯びている。

平岡は先月27日に実家に戻り、1月5日まで正月を家族と一緒に過ごした。6日に渡米し、ナショナルチームと合流、ソチに向けての調整に入る。

平岡は「内定したときは、とてもうれしかったが、日本代表としての責任を感じる。出るからには、最高の滑りをしてメダルを持って帰りたい」と意気込む。

父親の賢治さんは「五輪に出る以上は、またとない最高の大会を思いっきり楽しんでほしい」と励まし、母親の裕美さん(51)は「プレッシャーがあるけれど、自分の演技に徹してほしい」と息子の頑張りを見守っている。
(奈良新聞)