手ほどきを受けながら滑りを楽しむちびっ子スキーヤースキー人口の減少が続く中、九州・中国地方のスキー場が、かつてのスキー経験者をゲレンデに呼び戻そうと工夫を凝らしている。

中でもターゲットは、ブームだった1980〜90年代に自分自身でスキーを楽しんだり、親に連れて行ってもらったりした人たち。託児所やスクールを充実させるなどして、親となったこうした世代に家族で足を運んでもらおうとアピールしている。
◇子供もスキーに連れてって…託児所やスクール充実

佐賀市の人工スキー場「天山リゾート」は今シーズン、要望が多かった未就学児の託児所(定員5人)をオープンさせた。保育士資格を持つスタッフが1時間1500円で預かる。昨年12月2日のオープン以来、予約や問い合わせも多いといい、広報担当の陣内和人さんは「子育てで忙しく、スキーから遠ざかっていた人たちの利用につながれば」と狙いを語る。

バブル期にブームを巻き起こしたスキーだが、経済的負担が大きいこともあり、景気低迷と共に敬遠されるようになった。レジャー白書によると、全国のスキー人口はピーク時の93年には1860万人に達したが、2012年には3割の560万人にまで落ち込んだ。

だがここ数年、下げ止まり感もみられる。レジャー白書が公表した12年のリフト営業収入は560億円で、前年比3・7%の微増に転じた。白書では「再開した余暇活動」の上位にスキーがランクインし、その際の同行者は「家族・親戚」が最多だった。

実際、日本最南端のスキー場として知られる宮崎県五ケ瀬町の五ケ瀬ハイランドスキー場の秋山畩広(けさひろ)・副支配人は「スキーに連れて行ってもらった思い出のある人が親となり、家族連れで戻って来る傾向が最近強まっている」と話す。九州・山口からも多くのスキーヤーが訪れる広島県北広島町の芸北高原大佐スキー場では、スキー経験のある親に連れられてきた子供のスキースクール入校が年々増えているという。

そうした中、大分県九重町の九重森林公園スキー場は昨シーズンから、そり専用の幼児向けチケットを1000円に値下げし、ファミリー層にアピール。一方で人工降雪機を年々増やすなど滑りやすさも改善し、昨シーズンは前年を10%上回る11万人を呼び込んだ。同スキー場は「良いゲレンデがあると知ってもらえれば、お客さんにもっと来てもらえるはず」とスキー復権を期す。
(毎日新聞)