スキー場で事故にあわないために自動車レース、F1で歴代最多勝利の記録を持つミハエル・シューマッハさん(44)が2013年12月29日、スキー中に転倒して頭を打ち、意識不明の重体になっている。

冬の定番スポーツとして日本でも人気のスキーだが、ゲレンデでの事故は意外に多いのだ。

■全国44スキー場で1年間に3110件の事故

シューマッハさんは現地時間29日午前11時ごろ、フランス南東部メリベルのスキー場でゲレンデ外を滑走中に転倒。ヘルメットをかぶっていたが、岩に頭を強く打ってけがを負い、病院に搬送された。その後、緊急手術が行われ、日本時間31日夕方現在も危険な状態が続いているという。複数の報道によると事件当時の天気は良好で、だれかと接触したような形跡もないそうだ。現場周辺は上級者が集まるエリアの中でも難易度の高い場所の一つだったといい、何らかの原因で自ら転倒したとみられている。
ゲレンデ外の滑走は、バックカントリースキー(山スキー)やスノーボード愛好者から人気を集めるが、岩や木などの障害物に加え、道が分からなくなり下山できなくなるといったトラブルもつきものだ。では通常のコースを走っている限り安全かというと、実はそうでもない。スキー場からは例年数多くの事故事例が報告されている。

全国スキー安全対策協議会の資料によると、2012年〜2013年シーズンには、全国44か所のスキー場で3110件の事故が起きている。今回のシューマッハさんのケースのように、スキー場のエリア外で起きた事故は全体としてはほとんどない。大半は管理エリア内のスキーとスノーボードによるけがで、事故件数はスキー1171件に対し、スノーボードは1917件。リフトの輸送人員ではスキーのほうがやや多いため、スノーボードのほうが発生率の高いことが分かる。

■ランチタイム前後が事故発生の「魔の時間帯」

事故の原因で圧倒的に多いのは「自分で転倒」だ。スキーでは76.7%、スノーボードでも82.7%を占めている。傷害の種類ではスキーとスノーボードでそれぞれ特徴があり、スキーでは膝の捻挫が特に多く、スノーボードでは手首や肩の骨折・脱臼が目立つ。もちろん最悪の場合は死亡にもつながる。同資料では12〜13年シーズンに8人の死亡が報告されている。

これからスキー場でウィンタースポーツを楽しむ場合、どういった点に注意すればいいのか。まずは時間帯だ。先の資料によると、事故の発生時間は11時〜12時、14時〜15時の計2時間に集中している。昼食時間前後はスキー場が混雑し、多くの人が滑ることで雪の状態も変化する。これに疲労などの要因も重なり、事故が多発しているとみられる。そのため混雑状況や自分の体力と相談しながら、自分のペースで滑ることが重要だ。またけがをする際は、必ずしもスピードを出し過ぎているときとは限らない。実際、けがをしたうちの約80%は通常のスピード以下で事故に遭っている。停止中でも後方からのスキーヤーに衝突される可能性があることを頭に入れておく必要がある。

全日本スキー連盟による「安全10則」では、事故回避のためにほかにも準備運動や十分な睡眠、安全締具の適切な調節などを呼びかけている。
(J-CASTニュース)