東日本大震災後、3度目の秋の観光シーズンを迎え、本県を訪れる観光客数は回復傾向にあり、観光果樹園や温泉地などではにぎわいを取り戻しつつある。

年末にかけてはスキー場も続々とオープンする。東京電力福島第1原発事故の風評被害を払拭(ふっしょく)しようと、関係者は誘客の知恵を絞りながら、おもてなしの心で接客しようと必死だ。

福島市のフルーツラインでは、「ふじ」などのリンゴ狩りが最盛期。6日に同市飯坂町平野の果樹園を訪れた栃木県の無職遠藤益さん(80)は「福島の果物は毎年おいしい。被災地は日に日に復興していると感じている」とリンゴに手を伸ばしていた。
あづま果樹園社長で同市観光農園協会顧問の吾妻一夫さん(66)は「8月のモモのシーズンまでは震災前とほぼ同じくらい客足が回復した」と話す。同協会では今年、加盟果樹園の接客マニュアルを統一し、どこの果樹園に行っても安全性についての説明や試食の提供などを実践。「まずは従業員から前向きになること」を徹底し、誘客に努めた。甘味の強さを重視した「畑でしか味わえない」リンゴ狩りの魅力をさらに高める取り組みが各農家で進められている。

福島市の飯坂温泉では、温泉街にクラブハウスを置く福島ユナイテッドFCと温泉街の各団体や旅行会社が連携して取り組む「サッカーツーリズム」の取り組みが活発化している。

同市の土湯温泉では9〜10月の1カ月間、温泉街を会場にした芸術祭「土湯アラフドアートアニュアル2013」を初開催し、約1万2千人の来場があった。同温泉観光協会は「芸術祭の効果は大きい。新たな旅館のオープンも控え、芸術祭の盛り上げムードを維持したい」としている。

猪苗代町の箕輪スキー場は今月中にもオープンを予定。12月には各スキー場も順次、営業を開始する。

町内では夏にスキー場が連携した「ゲレンデ逆走マラソン」を展開。3シーズン目で参加者数も増えており、スキーでの施設利用にもつなげたい考え。
(福島民友新聞)