夜の魅力をアピールし、スキーシーズン以外の集客を図る県内スキー場が、雪のない「グリーンシーズン」の誘客策で、夜のゲレンデの活用に力を入れている。ゴンドラリフトを運行して星空観察を呼び掛けたり、女性限定のテント泊の催しを企画したり、夜ならではの企画を展開。

暗闇や静けさといった山間地の夜間の「非日常感」を観光客に提供する。夜に集客することで周辺地域の宿泊客増加にもつなげる狙いだ。

白馬五竜スキー場(北安曇郡白馬村)を運営する五竜(同)は13日以降の土曜と盆期間を中心に8月までの計11日間、初めて夏にゴンドラリフトを夜間運行する。

標高約1500メートル地点で、星空や夜景を楽しんでもらう狙い。ゲレンデに整備している高山植物園も一部をライトアップする。駒谷嘉宏社長は「日帰り客を宿泊客にしたい」とする。
白馬観光開発(同)はゴンドラリフトを運行する岩岳スノーフィールドで、テント泊をする女性限定の催しを10月に初めて開く計画だ。ゴンドラ終点近くに整備した芝生の上にテントを設営し、森の散策や星空、朝焼けが楽しめる。地元の野菜ソムリエが調理する野菜料理も提供する予定だ。

2012〜13年シーズンの県内スキー場の利用者数は709万4千人と2季連続で増えたものの、ピークの1992〜93年シーズンの約3分の1に低迷。県内各スキー場はゲレンデに花を植えたり、マウンテンバイクのコースを設けたりとスキーシーズン以外の誘客にも力を入れている。夜間の活用もその一環だ。

飯山市と新潟県妙高市にまたがる斑尾高原スキー場を運営するアビラ(飯山市)は、ゲレンデの樹木間に張ったワイヤにぶら下がって滑り降りる「ジップラインアドベンチャー」を設置。4年前から昼間の滑降経験がある人限定で夜も利用できるようにした。

下伊那郡阿智村のヘブンスそのはらスノーワールドでは、村内の宿泊施設や観光施設でつくる「スタービレッジ阿智誘客促進協議会」が昨年から、星空を眺めるナイトツアーを本格実施。昨年は目標の5千人を上回る約6500人が参加し、今年はゴールデンウイークにも行った。この夏は27日に始める計画だ。

同スキー場はスキーシーズン以外の利用客数が、冬場のスキー客数を上回る。運営するジェイ・マウンテンズ・セントラル(阿智村)の白沢裕次社長は「ナイトツアーで地域の宿泊客が増え、スキー場の知名度も上がればいい」と期待している。
(信濃毎日新聞)