決勝1回目に会心の滑りを演じた佐藤が両手を広げ、雄たけびを上げた。88・25点でトップに立ち、そのまま全日本初制覇。「最高にうれしくて気持ち良かった」。はじける笑顔に合わせ、緩やかにウエーブのかかった茶色い髪が揺れた。

気温が上がって雪面が緩み、滑走スピードが出にくい状況だったが、横3回転などの跳躍は高さ、キレとも抜群。「コンディションに左右されない技量の精度を上げてきた」と全日本の治部コーチの評価も上々だ。

父がスノーボード店を営んでいることもあり、物心付いた頃にはボードに乗っていた。中学卒業後は腕を磨くためカナダの高校に留学。昨年のこの大会で準優勝し、今季からナショナルチーム入りを果たした。
2月下旬から約2週間、旧友らと米国で張った合宿も功を奏したという。「リラックスしていい練習ができた」。3月28日のW杯最終戦で3位となり、帰国してからわずか2日。勢いそのまま日本一の称号をさらった。

25歳になった今季、W杯年間種目別で日本人最高の3位に入った。「若い子が伸びているけど、自分は今がその時。負けないくらい調子が良くなっている」。ソチ五輪まで10カ月余り。楽しみな成長株が出てきた。
(産経新聞)