五ケ瀬町鞍岡にある日本最南端のスキー場「五ケ瀬ハイランドスキー場」が20日、今シーズンの営業を終了した。昨年12月21日から3カ月間の入場者は昨年度より約1000人少ない約3万6500人で、目標の4万人を下回った。開業から20年以上たち、累積赤字は膨らむ一方で、スキー場は存続できるかの瀬戸際に陥っている。

同スキー場は90年、宮崎、熊本県境の向坂山(1684メートル)の頂上付近で開業した。当初の4年間は町直営で、94年からは町出資の第3セクター「五ケ瀬ハイランド」が運営して再スタート。年間入場者は8万人を超えた年もあったが、次第に5万人を割り込み、96年度に初の赤字を計上した。
98年度からは、焼酎メーカーの雲海酒造(宮崎市)が経営に参画。一時黒字化するが、同社が撤退した04年度は台風被害で約1年間、スキー場の営業を断念した。以後は赤字決算に転じ、09年度からは年間来場者数も損益の目安となる4万人を下回っている。

五ケ瀬ハイランド社長の飯干辰己町長は昨年9月、大学教授ら専門家4人の検証委員会を設置し、▽存続の是非▽経営形態▽廃止の場合の時期と処理法−−について諮問した。

検証委は2月、スキー場が町のシンボル的存在で、冬場の雇用確保や関連産業創出に効果があるなどのメリットを挙げ、当面5年間の存続を答申した。一方、現状では新たな顧客の掘り起こしが難しく、施設の老朽化に伴う改修費などで今後5年間に約3億5000万円の公金支出が必要と算定。経営改善努力をしても好転せず、公金支出に町民の理解を得られない場合は撤退すべきで、3年目に再度見直すとの条件を付けた。

飯干町長は「原点に戻り、今後の経営改善に向けて努力したい」と述べた。スキー場の秋山畩広(けさひろ)副支配人(59)も「五ケ瀬町、宮崎県の財産として存続できるよう、スタッフ全員で心を新たにして頑張りたい」と話している。
(毎日新聞)