◆フリースタイルスキー 世界選手権第2日(5日、ノルウェー・ボス) 来年のソチ大会から冬季五輪種目に採用されるスキーハーフパイプ(HP)の女子決勝で初出場の小野塚彩那(24)=石打丸山ク=が1回目に80・4点をマークし、銅メダルを獲得した。

05年大会から採用された同種目では、日本勢初のメダル。三星(みつぼし)マナミ(29)=野沢温泉ク=は75・8点で4位。ビルジニ・フェーブル(スイス)が83・8点で09年大会以来2度目の優勝を飾った。

男子では日本人選手が決勝に残れず、デービッド・ワイズ(米国)が初V。
4日の予選で87・6点でトップ通過を果たした小野塚は決勝でも勢いを失わなかった。1回目。持ち前の高さを生かして宙に舞うと、ダイナミックな横回転から見事に着地を決めた。80・4点で3位。そのまま、同種目で男女通じて日本勢初の表彰台に食い込んだ。

本人は「予選の成績が1位で、優勝を狙っていたので悔しさが残る」と不満顔。それでも、ソチ冬季五輪前年の世界選手権で上った表彰台には大きな価値がある。

新潟・南魚沼出身で学生時代はアルペンでも活躍したが、世界で勝てるレベルではなかった。専大を卒業後の昨季にソチ五輪でHPが採用されることが決め手となり、同種目への転向を決意。それまでは遊びでかじる程度だったが、物おじしない前向きな性格も幸いし、W杯でも上位に入るまでに成長した。

恵まれた競技環境とは言い難い。昨季から知人がサポーターズクラブを設立し、1口5000円の会費を最高10口まで募って支援を開始。現在は約130人の会員に加え、生まれ故郷新潟の地元企業もサポートする。そのおかげで仕事をせずに夏はニュージーランド、冬は米国を拠点とした活動が実現。一方で賞金大会などにも出場しており、「勝たないと生活できない」と苦しい側面もある。

同種目は歴史が浅く、全日本スキー連盟の強化指定を受ける選手がいない。小野塚も普段は専任コーチが不在だ。「(五輪で)勝つために技の難度を上げることも必須」とする日本の片岡美穂コーチは「スタッフを含め、HPのチームを組めたらありがたい」とソチに向かう体制作りを訴える。そんな逆境の中、はい上がってきた小野塚は「1番になれなかった悔しさをソチで晴らしたい」と五輪金メダルを誓った。

◆小野塚 彩那(おのづか・あやな)1988年3月23日、新潟県生まれ。24歳。新潟・湯沢高から専大に進学。昨季からW杯に参戦。高さのあるジャンプを武器に昨年8月の今季開幕戦で3位、今年2月に2位となるなど、ここまで全4戦で1ケタ順位に入り、W杯種目別で3位につける。158センチ。

◆スキーハーフパイプ 半円状のコース(パイプ)を使用し、ジャンプの高さや回転技を競う。競技法や使用コースはスノーボードHPと同様で、2回滑走して高い方の得点で順位が決定。道具は身長と同程度のスキー板とストックを使用。北米などで若者を中心に人気があり、2005年から世界選手権で実施。今大会で5大会目となる。冬季五輪では来年のソチ大会から初採用が決まっている。

(スポーツ報知)