雪崩で人が埋まった事故を想定し、捜索訓練をする参加者雪山でスキーやスノーボードを楽しむ「バックカントリースキー」(山スキー)の遭難事故が県内で近年増加しているのを受け、県山岳総合センター(大町市)は20日から、初心者向けの初の安全対策講座を2日間の日程で始めた。

人気の北アルプス白馬乗鞍岳(2436メートル)などを抱える大町署管内では、10年ほど前まで1年に1件程度だった遭難事故が、2011年は10件、12年は7件と目立っている。雪山登山の経験がない人も多く、十分な知識を身に付けてもらう狙いだ。
講座には、県内を中心に14人が参加。初日は大町署員が管内で発生した山スキー中の雪崩死亡事故を報告した。その後、国立登山研修所(富山県)の専門職員東秀訓(ひがしひでのり)さんが講師を務め、冬の気象や雪崩について学んだ。屋外では、ビーコン(電波送受信機)を使って雪崩に巻き込まれた人を捜す訓練をした。

初めてビーコンを使う参加者も多く、埋没した人役を捜す際に電波を送信から受信に切り替える手順を学んだ。最近、雪山をスノーボードで滑り始めたという上田市の会社員金子美香さん(27)は「雪崩の危険性を判断できるようしっかりと技術を身に付け、安全に楽しめるようになりたい」と話していた。

同署管内で昨年までの10年間に発生した山スキーの遭難事故計52件のうち、スキー場から登り始めることのできる白馬乗鞍岳と唐松岳(2696メートル)での事故が最多。新雪を求める愛好者が多く、雪崩発生の危険性が高い1、2月の事故が目立つという。雑誌などで新雪の滑降の楽しさが強調され、深い雪用の太い山スキー板も人気となっていることも背景にある。

東さんは「最近は道具が良くなり、多くの人が雪山での滑降を楽しめるようになった」と解説。ただ、「ビーコンといった装備があるから安全と考えず、気象や地形判断など総合的な登山技術が必要」と呼び掛けていた。
(信濃毎日新聞)