雪のない人工芝の坂道で滑り降りる練習をする子供たち=11日、長野県軽井沢町の軽井沢プリンスホテルスキー場(村島有紀撮影)バブル前後に花開いたスキーブーム。その世代が親となり、子供連れでスキー場を訪れる親子が増えている。スキー場側も次世代の愛好家を育てようと、幼児向けスキースクールなどのサービスを充実させている。

■人工芝で練習

子供がスキーを嫌いになる理由は、滑るのが怖い▽ブーツや板が重く、動きにくい▽寒い−が主なもの。平成22年に開講したパンダルマンキッズスクール(名古屋市天白区)はこれらの問題を解決するため、人工芝を使い、遊び感覚で滑り方を身に付けられるレッスンを行い、好評だ。3〜9歳が対象。現在、全国3カ所で実施している。
その一つ、軽井沢プリンスホテルスキー場のレッスンを見学した。人工芝を敷いた傾斜約15度のレッスン場は、パンダの着ぐるみやピンクの風船、ゴンドラをつないで列車に見立てた休憩所など、遊具場のような雰囲気だ。レッスンは、スキーブーツの履き方、板の付け方から始まる。受講生の中心は3〜5歳。レッスン場の周囲をカメラを持った親や祖父母が取り囲み、まるで幼稚園の授業参観のようだ。

緊張した面持ちで滑り台の上に乗った子供たちに、下で待つインストラクターは「スキー板を踏まず(クロスさせず)、膝から下を三角の形にして膝に手をつき、降りてきて」と声掛け。子供たちは滑り台を立ったまま降りる要領でゆっくりと滑り降りる。

インストラクターの滝本祐太郎さんは「人工芝は雪よりも滑りにくい。本物の重いスキー板を履いて、その感覚に慣れると雪の上で滑るのも怖くなくなる」と解説する。

■1日で習得

約45分間、人工芝で練習した後はゲレンデへ。4時間コースの場合、1日で曲がることができ、進みたい方向に行けるようになる子供もいる。さいたま市から来た4歳児の父親(35)は「アトラクションのようで、スクールというより遊んでいるうちに自然に滑れるようになった」と満足そうだ。

軽井沢でのグループレッスンは、半日(2時間)コース7千円、1日(4時間)コース9千円(土日祝日は1万2千円)。通常のスキースクール(半日で3千〜4千円程度)より割高だが、週末は平均100人が受講し、リピーターも多い。

「靴とスキー板もセットになっているので、レンタル代を考えると高くない」と、次女(6)と長男(4)を受講させた東京都世田谷区の母親(42)は話していた。

■レッスンでは必ずヘルメット着用

パンダルマンキッズスクールでは、レッスンでスキー用ヘルメットの着用を呼び掛けている。幼児の転倒のほとんどが前傾姿勢を取れずに後ろに転倒し、後頭部を打つことが多いためだ。

また、スキー板を選ぶ際は、仮に身長が120センチでも70センチ程度の短い板を選ぶといいという。

インストラクターの滝本さんは「板は短い方が操作しやすい。子供が転倒したときは、『格好悪い』『恥ずかしい』と思わないように『転んだほど頑張ったね』と褒めることが上達のポイント」と話している。

■スノーレジャー回復

6年ぶりにスキーのテレビコマーシャルを再開したJR東日本(東京都渋谷区)によると、1月中の国内ツアー「びゅう」のスキーツアー利用客は昨年1月比で1割増加した。「減少傾向だったスノーレジャー人口が回復しつつある」と同社広報は話す。

プリンスホテル(豊島区)ではグループが運営する9スキー場で、小学生以下のリフト料金を無料にする「キッズフリープログラム」をスタート。苗場、軽井沢、万座、万座高原の各プリンスホテルでは、小学生以下の宿泊を無料にしたプランもある。9スキー場では小学生以下のスキー客が1.5倍に増えたという。

(産経ニュース)