天に伸びるライトピラー。ダイヤモンドダストにスキー場のナイター照明などが反射したもので、下方向にも光が伸びたり街明かりの一部が柱状になっているところも=北海道北見市(大里直也撮影)(写真:産経新聞)天の闇に伸びる何本もの光。北海道の北東部に位置する北見市で、極寒の夜にだけ、まれに現れる「ライトピラー」を見た。空気中の氷晶(ダイヤモンドダスト)に反射した街明かりが光の柱のように見える現象で、その名の通り「光柱(こうちゅう)」とも呼ばれる。太陽光が柱状に見える「サンピラー」と原理はほぼ同じだ。

ライトピラーが出現した16日、最低気温は氷点下約20度を記録。息を吸うと、のど元で痛みを感じた。北海道の方言で「ものすごい寒さ」を意味する“しばれる”日だった。

出現の詳しいメカニズムは未解明。だが、必要な条件は、空気中の水分が凍り始める氷点下10度以下の日で、風が穏やかであること−などとされる。いずれも、ダイヤモンドダストが発生し、空気中で安定するために欠かせない状況だ。曇りや大雪など視界が悪い日の観測は難しいという。

もちろん、条件がそろったと思っても現れない日はある。幻とも言える光景だが、地元の人はほとんど意識していないようだ。北見市の担当者は「寒い時期の夜、外出する人は少ない。もし出ても、景色をじっと眺める人はあまりいないので…」と話す。市内に住む人に「ライトピラーが出てます」と話を振っても「ああ、そうですね」とそっけなかった。

北海道名寄(なよろ)市で、サンピラー観測ツアーを開催している林真之介さん(42)は「サンピラーは、ある程度予測できるがライトピラーはできない。それだけに遭遇したときは美しさに見入ってしまう」という。

厳寒の夜、人知れず真っ暗な空へと続く光の柱。たとえ「肌を突き刺す寒さ」でも、外に出てみたくなる幻想的な世界だった。
(産経新聞)