室蘭市だんパラスキー場で華麗にターンする富山さん。「いつまでもボードに乗れる体でいたい」と意気盛んだ室蘭市在住の国内最年長スノーボードインストラクターが、今シーズンもさっそうと銀世界を疾走している。定年退職後、61歳で競技に挑戦した富山(とみやま)稔さん(76)=市内八丁平=。8日に喜寿を迎え、「ますますボードが面白くなっている。まだやめる気はないよ」と元気いっぱいだ。

「もう少し膝を曲げてごらん」。市だんパラスキー場で富山さんが身ぶりを交え、女性ボーダーにアドバイスする。「若い人を見るとつい教えたくなるんだ」と笑った。

72歳で日本スノーボード協会公認C級インストラクター資格を取得。同協会によると、全国で5700人いる指導員で富山さんが最年長だ。普段はレッスンはしていないが、市内で開かれる年2回の無料講習会では指導を買って出る。

室蘭市役所勤務時代はヨットやスキーを楽しんでいた。退職後、友人がスノーボードを始めたのを見て「負けていられない」と、持ち前の負けん気に火がつき挑戦を決意。次男の道具を借りて練習を始めた。
両足を固定される姿勢や、スキーとは方向が異なる体重移動に苦労し「人の倍、時間がかかった」。それでも「スキーよりスピード感がある。ターンしたときの快感も他に代え難い」ととりこになっていった。

仲間から勧められてバッジテストを受け始めたのは68歳の時。スピードやフォームなど総合的な力量が求められる1級は4回目の受験で合格した。その後、講習を経てインストラクターとなった。

競技を始めた15年前と変わらず、週5日の練習を怠らない。「妻には『いい年して』とあきれられる」と苦笑するが、競技に話が及ぶと「もっとエッジを立ててきれいにターンしたい。膝を深く曲げられるように鍛えないと」と向上心は衰えない。

「世界の最年長ボーダー指導員として、ギネスブックに載るまで頑張りたい」。富山さんは今日もゲレンデに華麗なシュプールを描く。
(北海道新聞)