事業停止した六呂師高原スキー場(正面)と六呂師ハイランドホテル(右)=25日、福井県大野市南六呂師六呂師高原スキー場は18日に、今シーズンの安全とにぎわいを願って祈願祭を営んだばかり。29日のオープンを目前にしての突然の事業停止に、地元住民や大野市をはじめとした関係者は驚きと寂しさを隠せなかった。

「小さいころから家族で親しんだ最も身近なスキー場だけに、信じられない」と大野市内の女性会社員(29)は驚く。小中学校の児童生徒のスキー研修に利用されており、市民大会や学校のスキー大会も開かれている。祈願祭にも出席した県スキー連盟の谷口誠一理事長は「急にやめたと言われても…。ただただ残念」と嘆いた。

自己破産を申請した六呂師高原協業組合の田原哲也代表理事は「北陸でも一番、歴史のあるスキー場。昭和40〜50年代には、たくさんのお客さんが来てリフトに長い列ができた」と振り返る。ホテル建設など先行投資をし、利用客増に向けて取り組んだが「雪が降らない年が続いて思うようにいかなかった」。5基あったリフトを1基にし、昨シーズンからはナイター営業も辞めて経営改善を図ったが、資金繰りができなくなったという。

協業組合の一部事業を担い、同組合とほぼ同じメンバーで構成する「六呂師高原振興会」が市の指定管理者として2016年3月末まで運営する予定だった「うらら館」も25日から閉鎖。市と契約し管理を委託されていた円山公園、六呂師高原サン・フィッシュランドは、毎年定例の休業に入ったまま事業停止となった。

「全くの寝耳に水だった」という大野市は同日、ホテルの予約を断られた旅行会社からの問い合わせを受け、照会して初めて事業停止を知った。

市観光振興課では26日に、同組合の理事らを市役所に呼んで事情を聞き、施設の管理など今後の対応を協議していく。同課の担当者は「もっと早い段階で相談してくれれば、支援も考えられたのに」と悔やんでいた。
(福井新聞)