北京で人気の南山スキー場の案内マップ(南山スキー場オフィシャルサイトより)90年代初めのスキー人口はたった数百人だったとも言われる中国だが、今では1000万人を突破。既に日本の約600万人を大きく上回っているが、更に数年で3000万人に膨れ上がるとの見方もある。同国は今スキーブームの真っただ中だ。

北京近郊には初心者やファミリー向けの人工雪スキー場が約10カ所ある。この中で規模が大きく外国人からも人気が高いのが南山スキー場だ。

南山スキー場は北京市内から約70キロ(車で約1時間)に位置し、上級、中級、初級の10コースと、2人・4人乗りリフトや6000セットのレンタルスキーを揃えている。そのほか、ハーフパイプやスノーボードパークもありボーダー用施設も充実。スキー上級者向けのモーグルスロープもある。

スキーレンタル込みのリフト1日券の料金は、平日は260元(約3400円)、週末は390元(約5000円)。若者のレジャーとして決して安くはないがシーズン中の週末はかなりの人でにぎわう。
10年で中国のスキー人口は1000万人に激増した。天然のパウダースノー希望の上級者には河北省崇礼県のスキー場(万龍、長城嶺、多楽美地など)が好評だ。北京から約250キロ(車で約4時間)の道を遠路はるばる通う根強いファンも多い。

中国の庶民にとってスキーの歴史は約10年と日が浅い。そのため、初心者の層が厚く、上級者率は少ない。年齢層も日本では年々上がる傾向にあるが、中国では若年層の比率が圧倒的に高い。

上記の南山スキー場は、今年は子供向けスキースクールに外国人コーチを招いたり、マジックカーペットを敷設するなど子供向けサービスの拡充に力を入れているという。

関係者は「スキー場が北京に現れて10年。1代目のスキー愛好家は次々に親になり、子供連れで来るようになった。今はちょうど3~10歳の『雪2代目』がスキー場で走り始めた時期。だからスキー場は『雪2代目』を引き留める方法を考えているところだ」と指摘する(北京晩報11月15日)。

中国ではこの十数年で約300カ所のスキー場が開設され、近年はスキーリゾート開発も盛んだ。北朝鮮との国境にある長白山(吉林省)は2018年の冬季オリンピック立候補と噂された、アジア一の規模を誇るスキー場。現在進められているリゾート開発の一環で、すでに5つ星ホテルのウェスティン、シェラトン、ホリデーインがオープンしている。そのほかパークハイアットなども近く開業予定という。

また、同じ吉林省内で西武プリンスホテルは中国不動産大手の万科と昨年よりスキーリゾート開発に着手。来年末に開業予定のスキー場とホテルの運営を請け負うという。

一方で、日本国内では93年のピーク後、スキー人口は半減。厳しい状況に直面している国内スキー業界は打開策として中国人スキー客の誘致に余念がない。北海道のルスツリゾートなどを経営する加森観光(札幌市)は、2年前に上述の河北省・万龍スキー場と業務を提携。長野県も先の南山スキー場などで自治体PR活動を実施している。

マイナス10度まで冷え込む北京の厳しい冬の到来と共に、近隣のスキー場では今年も若く熱いスキーシーズンを迎えている。
(プンタ)