複合施設「エスカルプラザ」内のレストラン。予約制レストランや入浴施設もあり、宿泊客を受け入れて周辺の宿泊施設を支援する=白馬村白馬五竜スキー場(北安曇郡白馬村)を運営する五竜(同)は今冬、周辺の民宿などの宿泊施設を対象に、宿泊客への食事提供などを請け負うサービスを始める。

高齢化などで家族経営の宿泊施設の廃業が増える中、一部業務を代わりに担うことで負担を軽減し、廃業を食い止める狙い。宿泊先の外で食事をする「泊食分離」をスキー客にも提案し、地域の魅力アップにもつなげたい考えだ。

五竜は冬季、飲食店や仮眠室、大浴場などを備えた複合施設「エスカルプラザ」をスキー場入り口で24時間営業する。これまでも地域の宿泊施設の依頼を受け、団体客の食事をプラザ内のレストランで提供するなどしてきた。

新たなサービスは個人客も想定し、レストランでの夕食や早朝到着時の仮眠スペース利用、施設内にあるサンドイッチ店からの朝食宅配といったメニューを用意。希望する宿泊施設は、必要なメニューを選び、自ら提供する宿泊などと組み合わせたプランなどで販売する。21日に開いた説明会には、宿泊施設経営者ら20人余が参加した。
白馬五竜観光協会によると現在、会員の宿泊施設は家族経営のペンション、民宿を中心に95軒。経営者の高齢化や後継ぎがいないことなどから廃業が続き、長野五輪が開かれた1998年(178軒)の半分近くまで減っている。

スキー客減少が続く中、アルバイトなどスタッフを減らす動きも目立つといい、同社は「経営者家族が多忙になり、宿泊客とのコミュニケーションの時間が取れないといったジレンマを抱えている」と説明。サービスを利用する分、宿泊施設の収入は減るが、「サービスの利用で空いた時間に、手のかかる郷土料理を作るなど魅力をしっかり出すこともできる。エスカルプラザを宿の『離れ』のように活用してほしい」とする。

手始めに観光協会の会員を対象にサービスを実施。五竜の駒谷嘉宏社長は「まず泊食分離の成功例をつくり、地域で宿泊客にサービスを提供する飲食店などが増えればいい」としている。
(信濃毎日新聞)